Presentation Information
[O24-7]肛門管の円柱上皮と移行帯上皮の境界線をCT junctionと命名する提案
松尾 恵五 (東葛辻仲病院)
肛門管は腸管の終末部分であり、肛門直腸接合部(anorectal, junction、恥骨直腸筋付着部上縁、Herrmann線、外科的肛門管の上縁)から肛門縁までの約4㎝の部位である。
内胚葉と外胚葉の接合部であり4種の粘膜上皮で被覆される。口側から直腸円柱上皮(columnar epithelium)、移行帯上皮(transitional zone epithelium)、肛門上皮(anoderm)、肛門周囲皮膚である。これら4種の粘膜上皮には境界線が3ヶ所あり、円柱上皮と移行帯上皮の境界をHerrmann線、移行帯上皮と肛門上皮の境界を歯状線(内胚葉と外胚葉の境界線、解剖学的肛門管の上縁)、肛門上皮と皮膚の境界を肛門縁と呼称してきた。
しかし、円柱上皮と移行帯上皮の境界をHerrmann線と呼称するのは文献的検索を行っても(Hermann, Herrmanとスペルを変えても)その根拠となる論文、成書は見当たらず誤用であると判断した。Herrmann線は肛門管の外側では恥骨直腸筋付着部上縁をさし肛門管の内側では肛門乳頭から口側へ連続する肛門柱(Morgagni柱)が消失する口側縁に一致する部位の名称である。
移行帯上皮は歯状線より上の6~12㎜の距離の部分で円柱上皮、移行上皮、非角化扁平上皮で構成されておりATZ(Anal Transitional Zone)あるいはCloacogenic zoneとも呼ばれ多様な組織が混在している。
円柱上皮と移行帯上皮の境界線は粘膜の色調変化が明瞭に認識できるので肛門手術においては歯状線とともに明確な指標となるため、正しい名称が必要であるが海外の成書、論文ではこの境界線に対する呼称は見当たらない。そこで、一般性を失わない名称としてColumnar Transitional junction, CT junctionと命名することを提案する。
内胚葉と外胚葉の接合部であり4種の粘膜上皮で被覆される。口側から直腸円柱上皮(columnar epithelium)、移行帯上皮(transitional zone epithelium)、肛門上皮(anoderm)、肛門周囲皮膚である。これら4種の粘膜上皮には境界線が3ヶ所あり、円柱上皮と移行帯上皮の境界をHerrmann線、移行帯上皮と肛門上皮の境界を歯状線(内胚葉と外胚葉の境界線、解剖学的肛門管の上縁)、肛門上皮と皮膚の境界を肛門縁と呼称してきた。
しかし、円柱上皮と移行帯上皮の境界をHerrmann線と呼称するのは文献的検索を行っても(Hermann, Herrmanとスペルを変えても)その根拠となる論文、成書は見当たらず誤用であると判断した。Herrmann線は肛門管の外側では恥骨直腸筋付着部上縁をさし肛門管の内側では肛門乳頭から口側へ連続する肛門柱(Morgagni柱)が消失する口側縁に一致する部位の名称である。
移行帯上皮は歯状線より上の6~12㎜の距離の部分で円柱上皮、移行上皮、非角化扁平上皮で構成されておりATZ(Anal Transitional Zone)あるいはCloacogenic zoneとも呼ばれ多様な組織が混在している。
円柱上皮と移行帯上皮の境界線は粘膜の色調変化が明瞭に認識できるので肛門手術においては歯状線とともに明確な指標となるため、正しい名称が必要であるが海外の成書、論文ではこの境界線に対する呼称は見当たらない。そこで、一般性を失わない名称としてColumnar Transitional junction, CT junctionと命名することを提案する。