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[O25-4]当院におけるLow-grade Appendiceal Mucinous Neoplasmの臨床病理学的検討

勝又 健太1, 内藤 正規1, 根岸 宏行1, 臼井 創大1, 天野 優希1, 西澤 一1, 小川 敦博1, 有泉 泰2, 大坪 毅人3, 民上 真也3 (1.聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院消化器・一般外科, 2.聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院病理診断科, 3.聖マリアンナ医科大学消化器・一般外科)
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はじめに:Low-grade Appendiceal Mucinous Neoplasm(LAMN)は2010年のWHO分類において分類されることとなった虫垂粘液腫瘍の1つである。LAMNは術前診断が困難なことも多く、術後に病理検査で偶発的に指摘されることが多い。そして適切な術式、フォローアップ方法なども定まったものはまだない。
目的および期間:当院で2013年1月から2024年3月までの間に、虫垂炎を含む虫垂腫大に対する手術加療を270例施行し、そのうち12例がLAMNと診断された。そのうち、断端距離、深達度について再検討を行うことができた10例について臨床病理学的検討を行い、適切な術式やフォローアップについて検討する。
結果(数値は中央値):年齢は69歳(27-86歳)、性別は男性7例で女性が5例であった。虫垂炎として手術加療を受けたのが8例、虫垂粘液腫の疑いとして手術を受けたのが4例であった。虫垂粘液腫の術前診断の4例には、3例で盲腸部分切除、1例で回盲部切除が施行された。虫垂炎の既往があったのは2例であった。術前の虫垂径は13(9-28)mm、術後在院日数は5(2-15)日だった。フォローアップに関しては、4例が終診、6例がフォローアップ中であり、期間は32(12-84)ヶ月であった。全症例で断端陰性、断端距離は15(3-40)mmであり、全症例で再発は認めなかった。
考察:当院では大腸癌治療ガイドラインに従ってフォローアップを行うことが多く、5-10年を目標として経過観察を行っている。また、全症例で断端陰性、観察期間内に再発を認めなかったことから、少なくとも断端陰性を確保できる術式を選択すべきと考えられた。