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[O25-5]40歳未満の若年性大腸癌の臨床病理学的特徴の検討
紫葉 裕介1, 諏訪 雄亮1, 田中 宗伸2, 工藤 孝迪1, 大矢 博貴2, 前橋 学1, 森 康一1, 田 鐘寛2, 沼田 正勝1, 諏訪 宏和3, 小澤 真由美1, 渡邉 純2,4, 佐藤 勉1, 遠藤 格2 (1.横浜市立大学附属市民総合医療センター消化器病センター外科, 2.横浜市立大学医学部消化器・腫瘍外科, 3.横須賀共済病院外科, 4.関西医科大学下部消化管外科)
【目的】近年若年性大腸癌が増加傾向にあることが報告されている.当院および関連施設における40歳未満の若年者における大腸癌の臨床病理学的特徴について検討する.【方法】2008年から2024年の間に外科切除を施行した6008例の大腸癌症例を若年者群 (40歳未満) と非若年者群 (40歳以上) に分け,臨床病理学的因子,長期成績について検討した.【結果】若年者99例と非若年者5909例で比較した.年齢中央値35 vs 70歳,性別 (男:女) 54:45 vs 3448:2461 (54.5:45.5% vs 58.4:41.5 %, p =0.44),発見契機は (有症状:検診契機) 84:15 vs 4173:1736 (84.8:15.2% vs 70.6:29.4%, p=0.002), 腫瘍局在は(右側結腸:左側結腸:直腸) 17:40:42 vs 1725:2452:1731 (17.2:40.4:42.4% vs 29.2:41.5:29.3%, p= 0.005),組織型は(tub:por:muc) 83:4:3 vs 4787:130:193 (83.8:4.0:3.0% vs 81.0:2.2:3.3 %)(p =0.52), pStage I:II:III:IV) 23:17:39:18 vs 1511:1426:1494:550 (23.2:17.2:39.4:18.2% vs 25.6:24.1:25.3:9.3 %, p =0.02)であった.RAS(wild:mutant) 31:30 vs 1295:992 (50.1:49.9% vs 56.6:43.4%, p = 0.36),BRAF(wild:mutant) 39:1 vs1181:66 (97.5:2.5% vs 94.7:5.3%)(p = 0.433),MSI(MSS:MSI-H) 28:9 vs 905:74 (75.7:24.3 % vs 92.4:7.6%, p = 0.001)であった.2019年までの症例で,stage I, II, IIIの5年生存率はそれぞれ100% vs 93.6% (p=0.312), 87.5% vs 86.2%(p=0.916), 72.7% vs 79.2% (p=0.456) であり,再発は15例 (19.0%) vs 602例 (13.6%, p = 0.166)と有意差は認めなかった.若年性大腸癌の年次推移は2008~2015年の8年間で38例 (1.58 %),2016~2023年の8年間で57例 (1.79 %, p = 0.602)であり有意差は認めなかった.【結語】若年性大腸癌は有症状かつ左側が多く、進行度も進んでいるものが多いが、長期生存は劣らなかった。本コホートでは近年増加傾向とは言えず長期成績には差を認めなかった.