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[O27-1]縦2件ロボット支援下結腸癌手術の現状と工夫
萩原 千恵1, 上原 広樹1, 井 翔一郎1, 山田 典和1, 五十嵐 優人1, 藤田 悠介1, 北川 祐資2, 小林 壽範1, 森 至弘1, 諏訪 雄亮3, 小澤 真由美3, 三城 弥範2, 渡邉 純1 (1.関西医科大学下部消化管外科学講座, 2.関西医科大学総合医療センター下部消化管外科, 3.横浜市立大学附属市民総合医療センター消化器病センター)
【背景・目的】2022年4月からは直腸癌に加えて結腸癌に対してもロボット手術が保険適応となった.ロボット手術は腹腔鏡手術と比較して手術時間が長くコストがかかることが報告されているが,ロボットの効率的な稼働のためには縦2件での手術が有用と考える.縦2件のロボット大腸癌の手術手技を供覧し短期成績を検討する.【対象と方法】2022年4月から2025年2月までに縦2件(結腸+結腸もしくは結腸+直腸)でロボット手術を行った結腸癌103例を検討した.若手術者は技術認定未取得者とした.【手術手技】コンソール開始までの時間を極力短縮するように努め,手術手技は術式に応じて定型化している.右側結腸癌は後腹膜剥離を先行し尾側アプローチで郭清を行う.脾彎曲部結腸を授動する際にはIMV背側から内側授動を行い網嚢内へ入る.腸管切離前にICGで血流確認を行う.若手術者が執刀する際は,第一助手に入る指導医が適宜手術をコントロールすることにより,安全な手術・時間短縮に努める.また,エネルギーデバイスや自動縫合器に関しては,腹腔鏡用デバイスを使用するhybrid手術によりコスト削減を行っている.【結果】年齢中央値73(29-90)歳.術式は回盲部切除術21例,結腸部分切除術(盲腸,上行結腸)5例,右半結腸切除術30例,横行結腸部分切除術4例,結腸部分切除術(下行結腸)9例,S状結腸切除術34例.DaVinci 89例,hinotori 14例.若手術者の執刀例20例.手術時間185(95-365)分.出血量5(5-370)ml.術後入院期間6(4-52)日.縦2件の合計手術時間は結腸+結腸409(249-550)分,結腸+直腸415(272-666)分.開腹移行症例はなく.CD分類III以上の術後合併症は縫合不全1例のみであった.【結語】手技を定型化し時間短縮を意識することにより,縦2件でのロボット支援下結腸癌手術は安全に実施可能であり,ロボットの効率的な運用に寄与する.