Presentation Information
[O27-6]人手不足の市中病院におけるロボット支援下直腸癌手術の工夫と術後短期成績の検討
川上 雅代, 上里 安範, 仕垣 幸太郎, 澤岻 安勝, 高江洲 亨, 萩池 昌信, 稲嶺 進 (おもと会大浜第一病院外科)
<はじめに>ロボット支援下大腸癌手術は一般市中病院においても広く普及してきているが、限られた経営資源の中で医療を提供するにあたり、消耗品および維持管理費が高額であることが問題となる。しかし、術者、助手とスコピストを必要とする腹腔鏡下手術に対し、術者と助手の2人で完遂できるロボット支援下手術は、外科医不足に苦しむ地方市中病院においてはコスト問題を凌駕する大きなメリットとなり得る。当院では直腸切除時の会陰操作も含め、全ての手術を術者と助手の2人のみで安全に完遂できるよう定型化に取り組んでおり、その方法と成績について検討した。
<対象と方法>当院では2024年3月より直腸癌に対するロボット支援下手術(Da Vinci. Xi)を開始、以後2025年4月までに経肛門的器械吻合を施行した直腸癌36例を対象とした。吻合操作方法としては、口側結腸にアンビルヘッドを固定後、腹腔鏡観察下でICGによる血流評価を行い、吻合に必要な視野を確保したのち、Da Vinci.をロールインする。術者はコンソールに移動、視野を再確認したのち、助手が会陰側に移動し自動吻合器の操作を行う。リングを確認し、全周全層でないことを疑う場合には補強縫合を行う。この後、術者が内視鏡を行い、吻合部の観察およびリークテスト陰性を確認し、経肛門ドレーンを留置することとしている。
<結果>36例の内訳は男性17例、女性19例。腫瘍局在はRS22例、Ra9例、Rb5例。術式は前方切除術21例、低位前方切除術13例、超低位前方切除術2例。Diverting stomaは3例に造設されていた。前方切除術の2例でファイアリング時にトラブルがあり、再吻合した。リークテスト陽性は1例、全周に補強縫合を行った。経肛門ドレーンは32例に留置されていた。手術時間は中央値340分(Range 202-580分)、コンソール時間は同269分(97-455分)であった。CD分類Grade II以上の術後合併症はDiverting ileostomyでのoutlet obstructionを1例に認めた。縫合不全の発生はなかった。
<結語>導入早期の症例も含めており手術時間は長いものの、術後短期成績には問題を認めなかった。今後も症例を積み重ねて手技を安定させ、時間的効率にも意識をむけていきたい。
<対象と方法>当院では2024年3月より直腸癌に対するロボット支援下手術(Da Vinci. Xi)を開始、以後2025年4月までに経肛門的器械吻合を施行した直腸癌36例を対象とした。吻合操作方法としては、口側結腸にアンビルヘッドを固定後、腹腔鏡観察下でICGによる血流評価を行い、吻合に必要な視野を確保したのち、Da Vinci.をロールインする。術者はコンソールに移動、視野を再確認したのち、助手が会陰側に移動し自動吻合器の操作を行う。リングを確認し、全周全層でないことを疑う場合には補強縫合を行う。この後、術者が内視鏡を行い、吻合部の観察およびリークテスト陰性を確認し、経肛門ドレーンを留置することとしている。
<結果>36例の内訳は男性17例、女性19例。腫瘍局在はRS22例、Ra9例、Rb5例。術式は前方切除術21例、低位前方切除術13例、超低位前方切除術2例。Diverting stomaは3例に造設されていた。前方切除術の2例でファイアリング時にトラブルがあり、再吻合した。リークテスト陽性は1例、全周に補強縫合を行った。経肛門ドレーンは32例に留置されていた。手術時間は中央値340分(Range 202-580分)、コンソール時間は同269分(97-455分)であった。CD分類Grade II以上の術後合併症はDiverting ileostomyでのoutlet obstructionを1例に認めた。縫合不全の発生はなかった。
<結語>導入早期の症例も含めており手術時間は長いものの、術後短期成績には問題を認めなかった。今後も症例を積み重ねて手技を安定させ、時間的効率にも意識をむけていきたい。