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[O28-1]Hugo RAS systemによるロボット支援下大腸手術の定型化から若手外科医の育成にむけて
長山 聡, 橋本 恭一, 中山 雄介, 我如古 理規, 岡本 三智夫, 野村 勇貴, 武内 悠馬, 竹内 豪, 藤岡 祥恵, 植田 圭祐, 島田 明, 角田 海斗, 久保田 良浩 (宇治徳洲会病院外科)
当院では2021年12月よりda Vinci Xi dual consoleを用いたロボット支援下手術(RAS)を開始し、2023年12月にHugo RAS systemを導入した。現在では、若手外科医のRAS執刀機会を増やすために、大腸手術は全例Hugoで行っている。これまでにRAS直腸手術は104症例(da Vinci 67、Hugo 37)、RAS結腸手術は78症例(da Vinci 26、Hugo 52)を経験した。Hugo直腸37症例に関しては、ステント留置症例3、前治療症例3を含み、高位前方切除12、低位前方切除8、超低位前方切除8(吻合レベルAV3cm(2)、AV2cm(4)、AV1cm(1)、AV0.5cm(1))、ハルトマン手術3、直腸切断術6で、側方郭清も2例で施行した。Hugo結腸52症例に関しては、ステント留置症例8を含み、回盲部切除12, 結腸右半切除11、結腸拡大右半切除4, 横行結腸切除6、結腸左半切除2、下行結腸切除4、S状結腸切除12、結腸全摘1であった。結腸再建は体腔内デルタ吻合を基本としている(体腔内デルタ吻合33, 体腔外FEEA 6、DST 13)。Hugoの特徴はロボットアームが独立していること、アームの可動域が非常に広いことである。これらの特徴を最大限に生かしつつ、腹腔鏡下手術の手技やデバイスを用いて助手と協調して作業するHybrid RAS様式と融合させて、助手がアームの干渉を受けずにストレスなく作業出来るようにポート配置を定型化している。直腸手術では水平一直線のポート配置で左手2本のスタイルとし、患者右側に助手用ポートを2本配置する。結腸手術では病変部位を標的にした一直線のポート配置に加えて、恥骨上にPfannenstiel切開を置き、助手が2本の鉗子を使って積極的に手術に参加する。腹腔鏡下手術のデバイスを用いて、腸間膜処理や血管のclipping、体腔内吻合のstaplingを助手が行うようにする。助手参加型の手術スタイルであるHybrid RASは、助手に術者的役割を与える事で手術に対する意欲を湧かせ、助手の積極的な手術への参加を促すとともに、コスト削減の観点からも有益である。今後ロボット手術が主流となることを想定し、若手外科医の育成のためにも、卒後早期からロボット手術に参加(執刀および助手)できるように、すでに定型化されたHybrid RAS様式のHugoによる大腸手術を継続していく。