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[O28-2]若手医師と行うロボット支援腹腔鏡下回盲部切除術の工夫と短期成績

河合 賢二, 德山 信嗣, 高橋 佑典, 俊山 礼志, 山本 昌明, 酒井 健司, 竹野 淳, 濵 直樹, 宮崎 道彦, 平尾 素宏, 加藤 健志 (国立病院機構大阪医療センター外科)
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【背景】2022年4月より結腸癌に対するロボット支援手術が保険適応となったことを受け、当院でも結腸癌に対するロボット支援手術を開始した。回盲部切除術においても手術手技の定型化を進めてきた。現在では若手医師の指導を行いながら手術を実施している。【対象と方法】2022年12月から2023年11月までに当院でロボット支援腹腔鏡下回盲部切除術を施行した15例を後方視的に検討した。【手術手技】手術は時間内に安全に過不足のない手術が行えるなら、できるところまで若手医師が執刀し、その後プロクターが交代することにしている。臍部の小開腹を先行させてラッププロテクター・EZアクセスを用いて気腹を開始、8mm da Vinci用ポートを右下腹部(1st arm)・下腹部正中(2nd arm)・左下腹部(3rd arm)・左上腹部(4th arm)に計4本挿入する。2nd armから斜視鏡、鉗子は1st arm: Fenestrated Bipolar Forceps、3rd arm: Monopolar Curved Scissors、4th arm: Tip-Up Fenestrated Grasperを用いる。5度程度の頭低位・左側低位とし、小腸を左上腹部に排除したのち回腸末端近傍から後腹膜アプローチを開始する。回腸末端近傍から、あえて尿管・性腺動静脈をメルクマールとして意識しながら結腸授動を開始し、上行結腸をめくるように十二指腸を露出させるところまで右側結腸の授動をおこなう。当院でのセッティングでは頭側からの横行結腸授動はやや難しいためできるだけ外側からの授動を進めておく。続いて上腸間膜静脈左縁まで回結腸動静脈領域の廓清を行い、体外で腸管切離・機能的端々吻合を行う。尿管・性腺動静脈・十二指腸を意識して視認することで、安全に温存することができる。【結果】性別の内訳は男性5例・女性10例で、年齢は中央値75.5歳(60-91)であった。原発部位は盲腸6例、上行結腸9例であった。手術時間中央値は225分(155-635)、コンソール時間中央値は99分(56-203)、出血量中央値は0ml(0-60)、Clavien-Dindo 分類II以上の合併症は認めなかった。【まとめ】ロボット支援腹腔鏡下回盲部切除術の定型化を進め、若手医師も安全に手術を実施可能であった。