Presentation Information
[O29-4]当院における若手医師の直腸癌に対するロボット手術と腹腔鏡手術の治療成績の検討
大重 英昭, 筒山 将之, 望月 能成, 杉本 博行, 小林 大介, 間下 直樹, 北條 由実子, 桑野 誠也, 安井 知樹 (小牧市民病院外科)
【背景】
近年、直腸癌に対してロボット支援手術が急速に普及しており、外科医が早期からロボット支援手術に携わる機会が増加している。熟練した外科医によるロボット支援手術と腹腔鏡手術の成績比較に関する報告は蓄積されつつあるが、若手外科医による手術に関する検討は依然として限られている。
【対象と方法】
2018年から2024年に当院で施行された直腸癌に対する内視鏡手術のうち、若手医師(卒後10年目以内)が執刀しR0切除が達成された86例を対象とし、それらをロボット支援手術群と腹腔鏡手術群に分けてレトロスペクティブに検討した。
【結果】
ロボット支援手術群は29例、腹腔鏡手術群は57例であった。術式の選択に大きな偏りはみられなかった。年齢の中央値(範囲)はロボット群73歳(41–82歳)、腹腔鏡群72歳(30–95歳)であった。手術時間はそれぞれ295分(203–523分)と276分(142–525分)、出血量は25ml(0–268ml)と24ml(1–1039ml)であった。術後在院日数はロボット群11日(6–168日)、腹腔鏡群10日(6–46日)であり、いずれの項目においても有意差は認められなかった。Clavien-Dindo分類Grade III以上の術後合併症は、ロボット群で3例(縫合不全2例、肺炎1例)、腹腔鏡群で4例(縫合不全3例、直腸膣瘻1例)発生し、その頻度にも有意な差はみられなかった。
【結語】
若手医師によるロボット支援手術は、腹腔鏡手術と比較して手術成績や安全性に大きな差を認めず、十分に許容される術式と考えられた。
近年、直腸癌に対してロボット支援手術が急速に普及しており、外科医が早期からロボット支援手術に携わる機会が増加している。熟練した外科医によるロボット支援手術と腹腔鏡手術の成績比較に関する報告は蓄積されつつあるが、若手外科医による手術に関する検討は依然として限られている。
【対象と方法】
2018年から2024年に当院で施行された直腸癌に対する内視鏡手術のうち、若手医師(卒後10年目以内)が執刀しR0切除が達成された86例を対象とし、それらをロボット支援手術群と腹腔鏡手術群に分けてレトロスペクティブに検討した。
【結果】
ロボット支援手術群は29例、腹腔鏡手術群は57例であった。術式の選択に大きな偏りはみられなかった。年齢の中央値(範囲)はロボット群73歳(41–82歳)、腹腔鏡群72歳(30–95歳)であった。手術時間はそれぞれ295分(203–523分)と276分(142–525分)、出血量は25ml(0–268ml)と24ml(1–1039ml)であった。術後在院日数はロボット群11日(6–168日)、腹腔鏡群10日(6–46日)であり、いずれの項目においても有意差は認められなかった。Clavien-Dindo分類Grade III以上の術後合併症は、ロボット群で3例(縫合不全2例、肺炎1例)、腹腔鏡群で4例(縫合不全3例、直腸膣瘻1例)発生し、その頻度にも有意な差はみられなかった。
【結語】
若手医師によるロボット支援手術は、腹腔鏡手術と比較して手術成績や安全性に大きな差を認めず、十分に許容される術式と考えられた。