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[O29-5]ロボット大腸癌手術におけるSecond surgeon以降の術者育成と短期成績
外岡 亨, 早田 浩明, 千葉 聡, 成島 一夫, 磯崎 哲朗, 天海 博之, 平澤 壮一朗, 桑山 直樹, 加野 将之, 鍋谷 圭宏 (千葉県がんセンター食道・胃腸外科)
【背景】本邦におけるロボット大腸癌手術は症例数の増加に伴い、各施設にてSecond surgeon以降の術者育成が進んでいる。【目的】当科でのロボット大腸癌手術におけるSecond surgeon以降の術者育成状況、および短期成績について検証する。【方法】当科ロボット大腸癌手術は2019年6月よりFirst surgeonが立ち上げ、2024年8月よりSecond surgeonが執刀開始し、並行して2024年11月よりThird surgeonが執刀開始した。新旧術者の短期成績について比較検討を行う。【対象】2019年6月〜2025年4月の期間における超低位吻合症例等の困難症例を省いた、First Surgeon症例(A群)92例、Second surgeon(B群)16例、Third surgeon(C群)13例を対象とした。【結果】各群における術式(ICR/RHC/結腸部切/SR/HAR/LAR)は、A群(4/5/1/14/10/58)、B群(5/1/0/2/3/5)、C群(4/0/0/4/4/1)であった。手術時間(分)、コンソール時間(分)、出血量(g)は、各群(A:B:C)で手術時間( 293 (204-524): 356 (303-408): 330 (273-450))、コンソール時間( 182 (72-385): 200 (153-273): 167 (149-319))、出血量( 10.5 (1-280): 29.5 (2-85): 15 (3-120))であった。術中術後合併症CD(0/I/II/IIIa/IIIb)は、58/10/15/9/0 : 10/2/2/2/0 : 7/1/3/2/1であった。術後在院期間(日)は、9 (8-120): 9 (9-18): 10 (8-19))であった。【考察】新旧術者間で明らかな短期成績の差を認めなかった。その要因として、先駆術者の適切なタイミングでの介入(指導および間欠的術者switching、等)が奏功していると考えられた。【結語】当科でのロボット大腸癌手術におけるSecond surgeon以降の術者による短期成績は、First Surgeon症例のそれと遜色なく、安全に後継者育成が進んでいると考えられた。