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[O3-5]当院でのロボット支援下直腸手術における縫合不全対策と治療成績
蘆田 啓吾, 牧田 大瑚, 津田 亜由美, 和田 大和, 植嶋 千尋, 尾﨑 知博, 遠藤 財範, 建部 茂 (鳥取県立中央病院外科)
【はじめに】直腸癌手術の縫合不全に対する対策は在院期間の短縮や再発防止の点からも重要であると考えられている。今回、当院でのロボット支援下直腸手術での縫合不全対策とその治療成績について報告する。【手術手技】IMAは原則根部で切離し、間膜処理後にICG蛍光法で血流確認を行う。腫瘍肛門側まで十分に剥離を行った後に、ガットクランパーを用いて直腸をクランプし、直腸洗浄後、SureFormを用いて直腸を切離する。吻合もロボット支援下に行い、吻合後に内視鏡で吻合部確認とリークテストを行う。必要に応じてロボット支援下あるいは経肛門的に吻合部の縫合を追加する。吻合部が肛門縁より5cm以下を目安に肛門ドレーンを留置する。術前放射線化学療法症例、ISR例、リークテスト陽性例、全身状態不良例などに一時的人工肛門造設を行う。【治療成績】2021年5月~2025年3月までに当科で行われた吻合を伴う直腸手術92例について検討を行った。平均年齢は67.5歳(30-87)、男/女 60/32例であった。主占拠部位 RS/Ra/Rb 20/35/37例、術式はAR/LAR/ISR 19/70/3例、手術時間は273分(180-598)(側方郭清8例を含む)、コンソール時間は175分(108-434)であった。出血量は10ml(5-150)であった。ICG血流評価での切離線変更は1例のみで、3cm追加切除となった。吻合位置は平均AV 5.38(2-10) cmであった。予防的人工肛門造設は24例(横行結腸3例、回腸21例)に行われていた。縫合不全は3例(3%)に認められ、1例は再手術を要した。1例は保存的治療で改善し、もう1例はISR症例で、回腸一時的人工肛門造設がされていたため無症候性で、人工肛門閉鎖は予定通り行われた。術後在院期間は11日(7-48)であった。【結論】当院での縫合不全対策は妥当なものと考えられた。現対策を今後も継続していく方針である。