Presentation Information

[O5-1]腹腔鏡下結腸切除術に対する体腔内吻合の手術成績

南 壮一郎, 原口 直紹, 山平 陽亮, 三上 希実, 土橋 果実, 藤井 渉, 額原 敦, 古賀 睦人, 肥田 仁一, 木村 豊 (近畿大学奈良病院消化器外科)
PDF DownloadDownload PDF
腹腔鏡下結腸切除術において体腔内吻合は広く普及しつつあり,体腔外吻合と比較して授動範囲の縮小や牽引による副損傷リスク軽減,創の縮小による術後創部痛の緩和,腸管運動の回復が早く,経口摂取の早期開始が可能となる.その一方で吻合の際の腸管内容流出による腹腔内汚染や癌細胞の腹腔内漏出よる播種再発のリスクが問題と考えられているため,我々は体腔内吻合を行う症例を選択して体腔内overlap 吻合を行っている.体腔内吻合を行う症例は全例,術前に機械的・化学的前処置を行っている。
腹腔鏡下でリンパ節郭清,血管処理と腸管授動を行い,腸間膜を処理し,ICG 蛍光法にて血流評価を行った後に自動縫合器で腸管を切離する.口側・肛門側腸管とも腸間膜側から腸間膜対側へ切離するようにする.順蠕動となるように腸管軸を合わせ,側々吻合のエントリーホールをあけ,体腔内で自動吻合器を挿入し,腸間膜対側同士で側々吻合を行う.この際,便の漏出に十分注意する必要がある.エントリーホールは糸で仮閉鎖した後に自動縫合器で閉鎖する.
2022 年4 月から2025 年3 月までに我々が施行した腹腔鏡下結腸切除術で,体腔内overlap 吻合を施行した腹腔鏡下手術症例における短期手術成績を検討した.
腹腔鏡下結腸切除術における体腔内overlap 吻合は安全に施行可能であった.
今後も症例を蓄積するとともに、適切な症例選択や長期予後に関しても検討をすすめていきたい。