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[P10-2]DST吻合におけるデバイスの選択と縫合不全の発症における検討
西嶋 亜未, 鶴田 雅士, 石田 隆, 田村 卓也, 島田 理子, 皆川 卓也, 平野 佑樹, 大山 隆史, 篠田 昌宏, 板野 理 (国際医療福祉大学医学部消化器外科)
【背景】大腸癌に対する手術において、縫合不全は非常に重篤な合併症の1つであり、本邦における発生率は10%程度であると報告されている。直腸癌やS状結腸癌における腸切除後の吻合法としては、ダブルステープリング法(DST法)が一般的である。この際、自動縫合器と自動吻合器を用いるが、様々な種類のうちその選択、組み合わせが縫合不全に与える影響については定まった見解はない。特にロボット支援手術では、腹腔鏡手術用のデバイスを組み合わせる必要があるため、製造元の異なるデバイスを組み合わせることが多い。今回我々は、製造元の異なるデバイスの組み合わせが縫合不全に与える影響について検証した。
【方法】2020年6月から2024年5月までに当科で大腸癌に対してロボット支援手術を施行した症例のうちDST吻合を行った120例を対象とした。主評価項目を術後の縫合不全の発症率として評価を行った。対象を同じ製造元のデバイスを組み合わせたDST吻合を施行したSame Products (SP)群と異なるDifferent Products (DP)群の2群にわけて、患者背景、縫合不全の発生率について後方視的に比較検討した。
【結果】SP群は80例、DP群は40例であった。年齢、BMIを含めそのほかの背景因子に両群間に有意差は認めなかった。術後縫合不全を認めた症例は全体で17例(14%)であり、SP群が13例(16.3%)であったのに対し、DP群は4例(10 %)であり、有意差は認めなかった(P=0.4679)。
【結論】ロボット支援手術では、製造元の異なるデバイスを組み合わせたDST吻合を行うケースが多い。縫合不全を防ぐために製造元によってさまざまな工夫が施されており、時として、その選択に迷うこともあり、その組み合わせが治療成績に影響を及ぼす可能性も懸念されたが、本検討では、製造元の異なるデバイス選択による縫合不全の発症率への関与は示されなかった。大腸癌術後の縫合不全は、患者のQOLを著しく低下させる合併症であるため、今後も予防策の検討が望まれる。
【方法】2020年6月から2024年5月までに当科で大腸癌に対してロボット支援手術を施行した症例のうちDST吻合を行った120例を対象とした。主評価項目を術後の縫合不全の発症率として評価を行った。対象を同じ製造元のデバイスを組み合わせたDST吻合を施行したSame Products (SP)群と異なるDifferent Products (DP)群の2群にわけて、患者背景、縫合不全の発生率について後方視的に比較検討した。
【結果】SP群は80例、DP群は40例であった。年齢、BMIを含めそのほかの背景因子に両群間に有意差は認めなかった。術後縫合不全を認めた症例は全体で17例(14%)であり、SP群が13例(16.3%)であったのに対し、DP群は4例(10 %)であり、有意差は認めなかった(P=0.4679)。
【結論】ロボット支援手術では、製造元の異なるデバイスを組み合わせたDST吻合を行うケースが多い。縫合不全を防ぐために製造元によってさまざまな工夫が施されており、時として、その選択に迷うこともあり、その組み合わせが治療成績に影響を及ぼす可能性も懸念されたが、本検討では、製造元の異なるデバイス選択による縫合不全の発症率への関与は示されなかった。大腸癌術後の縫合不全は、患者のQOLを著しく低下させる合併症であるため、今後も予防策の検討が望まれる。