Presentation Information
[P17-3]専攻医でもできる手技を目指したロボット支援下体腔内吻合の導入と短期成績
赤本 伸太郎, 宮地 太一 (住友別子病院外科)
【背景】当院ではロボット結腸癌手術の導入とともに体腔内吻合を導入した.外科専攻医4名を含む新規術者5人も参加し,延べ6人の術者がロボットによる体腔内吻合を経験した.同時期のconventionalな腹腔鏡での体腔内吻合症例は無い.
【目的】当院での結腸癌体腔内吻合の短期成績を検討する.
【対象】2022年7月~2025年3月までに施行した,ロボット支援下結腸側側吻合症例86例のうち,体腔内吻合を施行した69例を対称とした.
【方法】overlapを基本とし,新規術者でもstapler挿入や腸管の誘導を容易にするため,挿入口に牽引用の全層縫合糸をかけ,ロボットstaplerで吻合した.挿入口は縫合閉鎖した.標本摘出後に3Lの温生食で腹腔内とトロッカーと鉗子を洗浄した.
【結果】7例に他領域の手術を同時に施行した.中央値で年齢:75歳(47-94),BMI:22.9(16.9-41.3),新規術者症例は48例(69.6%)であり,25例(36.2%)は外科専攻医の手術であった.吻合法に関しては,デルタ吻合1例,FEEA1例,overlap吻合67例であった.手術時間:346m(225-740),出血量:10g(0-200)であった.fStageは0/1/2/3/4=3/21/20/17/7,脂肪肉腫1例.回-結腸吻合/結腸-結腸吻合=51/18例,臍小切開/Pfannenstiel=10/59例であった.G2以上の術後合併症は17例(24.6%)に認めた.G2は麻痺性イレウスを10例,吻合部出血,不明熱,誤嚥性肺炎,前立腺肥大による尿閉,トライツの通過障害,癒着性腸閉塞を1例ずつ認めた.G3aは肝硬変の吻合部出血を1例認め,G3bは高用量ステロイド投与中の縫合不全症例と,5mmのポートサイトヘルニアによる再手術症例を1例ずつ認めた.創部SSIは臍とPfannenstielに1例ずつ認めた.観察期間中央値408日(34-1014)で,瘢痕ヘルニアの症例はなかった.再発に関してはStage4の症例で3例の腹膜播種再発を認めた(2例は初回に播種切除).肝転移再発を2例に認めた.
【考察・結語】ロボット支援下体腔内吻合は手技の工夫で新規術者でも安全に施行できる.短期成績では,SSIやヘルニア,腫瘍学的にも問題ないと判断している.
【目的】当院での結腸癌体腔内吻合の短期成績を検討する.
【対象】2022年7月~2025年3月までに施行した,ロボット支援下結腸側側吻合症例86例のうち,体腔内吻合を施行した69例を対称とした.
【方法】overlapを基本とし,新規術者でもstapler挿入や腸管の誘導を容易にするため,挿入口に牽引用の全層縫合糸をかけ,ロボットstaplerで吻合した.挿入口は縫合閉鎖した.標本摘出後に3Lの温生食で腹腔内とトロッカーと鉗子を洗浄した.
【結果】7例に他領域の手術を同時に施行した.中央値で年齢:75歳(47-94),BMI:22.9(16.9-41.3),新規術者症例は48例(69.6%)であり,25例(36.2%)は外科専攻医の手術であった.吻合法に関しては,デルタ吻合1例,FEEA1例,overlap吻合67例であった.手術時間:346m(225-740),出血量:10g(0-200)であった.fStageは0/1/2/3/4=3/21/20/17/7,脂肪肉腫1例.回-結腸吻合/結腸-結腸吻合=51/18例,臍小切開/Pfannenstiel=10/59例であった.G2以上の術後合併症は17例(24.6%)に認めた.G2は麻痺性イレウスを10例,吻合部出血,不明熱,誤嚥性肺炎,前立腺肥大による尿閉,トライツの通過障害,癒着性腸閉塞を1例ずつ認めた.G3aは肝硬変の吻合部出血を1例認め,G3bは高用量ステロイド投与中の縫合不全症例と,5mmのポートサイトヘルニアによる再手術症例を1例ずつ認めた.創部SSIは臍とPfannenstielに1例ずつ認めた.観察期間中央値408日(34-1014)で,瘢痕ヘルニアの症例はなかった.再発に関してはStage4の症例で3例の腹膜播種再発を認めた(2例は初回に播種切除).肝転移再発を2例に認めた.
【考察・結語】ロボット支援下体腔内吻合は手技の工夫で新規術者でも安全に施行できる.短期成績では,SSIやヘルニア,腫瘍学的にも問題ないと判断している.