Presentation Information
[P24-6]放射線化学後に長期間化学療法を行った下部進行直腸癌の2例
石川 博文1,2, 中川 正2, 福岡 晃平2, 樫塚 久記1 (1.奈良県西和医療センター, 2.奈良県総合医療センター)
大腸癌治療ガイドラインでは、大腸癌治療の原則は切除であり、局所再発・高リスク』においてのみ、術前化学放射線療法(CRT)は弱く推奨されている。今回、CRT後、長期間化学療法を行い、経過観察している2例について報告する。
2例は70才代男性で、腸管膜内リンパ節転移を認めるRbの全周性腫瘍であり、術後の予想される状態(マイルス術か超低位前方切除)と再発の可能性等から手術を望まれなかった。そのためまずXELOX療法に放射線療法(50-60Gy)を併用したCRTを行い、その後進行・再発癌に準ずる、アバスチンを併用する外来化学療法を開始した(2例ともRAS変異陽性で、術前の腫瘍マーカーは正常域)。症例1ではCRT(50Gy) 終了後、3ヶ月の生検でG-Vが検出されたのでFOLFOX6+アバスチンを開始した。2年6ヶ月のフォローの内視鏡で腫瘍は完全に平坦化し、CTでも腫瘍は同定できなくなり、化学療法は3年まで継続し終了した。化学療法終了後7年経過するが、CTで腫瘍の縮小状態が保たれている。症例2ではCRT(60Gy) 終了後、1年3ヶ月のCTで腫瘍は同定できなくなり、1年6ヶ月の内視鏡で完全に平坦化を認めた。しかし2年3ヶ月のCTで軟部影の増大があったため、3年まで月1回のペースで XELOX+アバスチンを継続した。放射線直腸炎には輸血、焼灼と止血剤内服を行った。化学療法終了後5年経過するが、CTで腫瘍の縮小状態が保たれている。
CRT後の完全奏功まで時間がかかり、その明確な判定方法は定まっていない。またWatch&Waitの方法の確立は今後の課題である。若干の文献的考察を加えて報告する。
2例は70才代男性で、腸管膜内リンパ節転移を認めるRbの全周性腫瘍であり、術後の予想される状態(マイルス術か超低位前方切除)と再発の可能性等から手術を望まれなかった。そのためまずXELOX療法に放射線療法(50-60Gy)を併用したCRTを行い、その後進行・再発癌に準ずる、アバスチンを併用する外来化学療法を開始した(2例ともRAS変異陽性で、術前の腫瘍マーカーは正常域)。症例1ではCRT(50Gy) 終了後、3ヶ月の生検でG-Vが検出されたのでFOLFOX6+アバスチンを開始した。2年6ヶ月のフォローの内視鏡で腫瘍は完全に平坦化し、CTでも腫瘍は同定できなくなり、化学療法は3年まで継続し終了した。化学療法終了後7年経過するが、CTで腫瘍の縮小状態が保たれている。症例2ではCRT(60Gy) 終了後、1年3ヶ月のCTで腫瘍は同定できなくなり、1年6ヶ月の内視鏡で完全に平坦化を認めた。しかし2年3ヶ月のCTで軟部影の増大があったため、3年まで月1回のペースで XELOX+アバスチンを継続した。放射線直腸炎には輸血、焼灼と止血剤内服を行った。化学療法終了後5年経過するが、CTで腫瘍の縮小状態が保たれている。
CRT後の完全奏功まで時間がかかり、その明確な判定方法は定まっていない。またWatch&Waitの方法の確立は今後の課題である。若干の文献的考察を加えて報告する。