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[P25-2]肥満患者におけるTaTME併用腹腔鏡下直腸切除術の有用性の検討
力石 健太郎1, 諏訪 勝仁1, 北川 隆洋1, 佐々木 茂真1, 岡本 友好1, 衛藤 謙2 (1.東京慈恵会医科大学附属第三病院外科, 2.東京慈恵会医科大学附属病院外科)
目的 Body mass index (BMI) 25.0 kg/m2以上の肥満直腸癌患者におけるTransanal total mesorectal excision (TaTME) 併用腹腔鏡下直腸切除術の周術期成績を検討する。
方法 2015年1月から2025年3月までに直腸癌に対して腹腔鏡下低位前方切除術を行った42例を対象とし、TaTME併用群(n=11)と非併用群(n=31)の2群で手術成績(手術時間、出血量、術後合併症発生率、術後在院日数、腫瘍から肛門側断端までの距離)を後方視的に比較検討した。データは中央値(範囲)で示す。
結果 TaTME併用群と非併用群の比較において、年齢、性別、BMI、covering ileostomy造設率に差は無かった。腫瘍の局在は、TaTME併用群Ra 3例、Rb8例、非併用群Ra 23例、Rb 8例で、TaTME併用群で有意にRbに多かった (p=0.0118)。TステージはTaTME併用群T0:T1:T2:T3:T4 2:1:1:6:1例、非併用群0:8:6:13:4例で両群に差はなかった。手術時間はTaTME併用群 216 (166-352) 分に対して非併用群 250 (184-480) 分であり有意差はなく(p=0.213)、出血量も差はなかった。腫瘍から肛門側断端までの距離はTa TME併用群で40(10-55)mm、非併用群30(5-100)mmだった(p=0.436)。Clavien -Dindo分類グレード3以上の術後合併症発生はTaTME併用群、非併用群で有意差はなく、また術後在院日数にも有意差はなかった。
サブグループ解析でRb直腸癌のみ検で討を行うと、肛門側断端までの距離はTaTME併用群 30 (10-50) mm、非併用群 18 (10-28) mmであり両群に差はなかったが、手術時間はTaTME併用群208.5 (166-282)分、非併用群325(238-480)分でTaTME群が有意に短かった(p=0.0128)。
結語 肥満患者においてTaTME併用は手術成績を改善しなかった。しかし、Rb症例では手術時間を短縮できる可能性が示唆された。
方法 2015年1月から2025年3月までに直腸癌に対して腹腔鏡下低位前方切除術を行った42例を対象とし、TaTME併用群(n=11)と非併用群(n=31)の2群で手術成績(手術時間、出血量、術後合併症発生率、術後在院日数、腫瘍から肛門側断端までの距離)を後方視的に比較検討した。データは中央値(範囲)で示す。
結果 TaTME併用群と非併用群の比較において、年齢、性別、BMI、covering ileostomy造設率に差は無かった。腫瘍の局在は、TaTME併用群Ra 3例、Rb8例、非併用群Ra 23例、Rb 8例で、TaTME併用群で有意にRbに多かった (p=0.0118)。TステージはTaTME併用群T0:T1:T2:T3:T4 2:1:1:6:1例、非併用群0:8:6:13:4例で両群に差はなかった。手術時間はTaTME併用群 216 (166-352) 分に対して非併用群 250 (184-480) 分であり有意差はなく(p=0.213)、出血量も差はなかった。腫瘍から肛門側断端までの距離はTa TME併用群で40(10-55)mm、非併用群30(5-100)mmだった(p=0.436)。Clavien -Dindo分類グレード3以上の術後合併症発生はTaTME併用群、非併用群で有意差はなく、また術後在院日数にも有意差はなかった。
サブグループ解析でRb直腸癌のみ検で討を行うと、肛門側断端までの距離はTaTME併用群 30 (10-50) mm、非併用群 18 (10-28) mmであり両群に差はなかったが、手術時間はTaTME併用群208.5 (166-282)分、非併用群325(238-480)分でTaTME群が有意に短かった(p=0.0128)。
結語 肥満患者においてTaTME併用は手術成績を改善しなかった。しかし、Rb症例では手術時間を短縮できる可能性が示唆された。