Presentation Information
[P25-5]肛門扁平上皮癌化学放射線療法後再増大に対する手術症例の検討
川原 聖佳子, 西村 淳, 長谷川 潤 (長岡中央綜合病院消化器病センター外科)
【はじめに】肛門扁平上皮癌は化学放射線療法(CRT)により根治する可能性が高い疾患だが、Complete response(CR)後に再増大する症例も一定頻度あり、その場合は根治切除が生存に寄与する。CRT後の手術は創関連合併症に注意する必要がある。
【対象】2009年1月から2024年12月までに当院で初回治療としてCRTを行ったStageⅠ〜Ⅲの肛門扁平上皮癌は8例で、全例CRとなったがそのうち3例に局所の再増大がみられ、サルベージ手術を行った。
【症例1】50代女性、cT2N0M0 StageⅡAに対して5FU+CDDP(FP)併用CRT 59.4Gy施行後、約4ヶ月で局所の再増大と右鼠径リンパ節転移がみられ腹腔鏡下直腸切断術、右鼠径リンパ節切除を行い、会陰は両側大臀筋皮弁で再建した。入院中に左鼠径リンパ節転移も出現し切除した。術後10ヶ月無再発生存中。
【症例2】80代女性、脂肪肝を背景とした肝細胞癌(HCC)T1N0M0 StageIとの同時性重複癌で、HCCに対してTACE後、肛門扁平上皮癌cT2N0M0 StageⅡAに対してFP併用CRT 59.4Gy、引き続きHCCに対して40Gyの定位放射線治療を行いどちらもCRとなった。2年9ヶ月後、HCCはCRを維持していたが、肛門部の再増大があり腹腔鏡下直腸切断術を行った。術後6ヶ月無再発生存中。
【症例3】70代男性、cT2N0M0 StageⅡAに対してFP併用CRT 59.4Gy後、約7ヶ月で局所の再増大がみられ、腹腔鏡下直腸切断術を行った。術後6ヶ月無再発生存中。
【考察】CRTの影響が肛門周囲に及ぶと線維化により組織が固くなる。そのため会陰創が閉創できないなど、創関連合併症の危険が高いと判断した時は筋皮弁による閉創が必要となる。症例2、3では臀部に余裕があり直接閉創が可能だったが、症例1はBMI 17の痩せで筋皮弁が必要だった。痩せている場合でも臀部の筋肉や脂肪は比較的厚みがあるため大臀筋皮弁は有用であった。
【対象】2009年1月から2024年12月までに当院で初回治療としてCRTを行ったStageⅠ〜Ⅲの肛門扁平上皮癌は8例で、全例CRとなったがそのうち3例に局所の再増大がみられ、サルベージ手術を行った。
【症例1】50代女性、cT2N0M0 StageⅡAに対して5FU+CDDP(FP)併用CRT 59.4Gy施行後、約4ヶ月で局所の再増大と右鼠径リンパ節転移がみられ腹腔鏡下直腸切断術、右鼠径リンパ節切除を行い、会陰は両側大臀筋皮弁で再建した。入院中に左鼠径リンパ節転移も出現し切除した。術後10ヶ月無再発生存中。
【症例2】80代女性、脂肪肝を背景とした肝細胞癌(HCC)T1N0M0 StageIとの同時性重複癌で、HCCに対してTACE後、肛門扁平上皮癌cT2N0M0 StageⅡAに対してFP併用CRT 59.4Gy、引き続きHCCに対して40Gyの定位放射線治療を行いどちらもCRとなった。2年9ヶ月後、HCCはCRを維持していたが、肛門部の再増大があり腹腔鏡下直腸切断術を行った。術後6ヶ月無再発生存中。
【症例3】70代男性、cT2N0M0 StageⅡAに対してFP併用CRT 59.4Gy後、約7ヶ月で局所の再増大がみられ、腹腔鏡下直腸切断術を行った。術後6ヶ月無再発生存中。
【考察】CRTの影響が肛門周囲に及ぶと線維化により組織が固くなる。そのため会陰創が閉創できないなど、創関連合併症の危険が高いと判断した時は筋皮弁による閉創が必要となる。症例2、3では臀部に余裕があり直接閉創が可能だったが、症例1はBMI 17の痩せで筋皮弁が必要だった。痩せている場合でも臀部の筋肉や脂肪は比較的厚みがあるため大臀筋皮弁は有用であった。