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[P26-1]多発小腸GISTの一例

碓井 麻美, 宮内 英聡, 水町 遼矢, 斎藤 洋茂, 藤田 和恵, 鈴木 一史, 田中 元, 貝沼 修, 鈴木 孝雄 (最成病院外科)
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症例は71歳女性。2024年10月初旬に腹痛と嘔吐を主訴に受診し、CTにて小腸の軽度の拡張および腸間膜に沿った石灰化を伴う腫瘤の陰影が複数個認められた。腫瘤による通過障害が疑われて入院となる。絶食にて保存加療をおこなうが症状が持続するため第7病日に手術を施行した。開腹所見では小腸の腸間膜に沿って5から30㎜大の白色弾性硬の腫瘤が数珠状に並んだ箇所が数か所あり、長さ70㎝の空腸および長さ50㎝の回腸を切除することによりすべての腫瘤を取り除くことができた。腹腔内を検索し小腸以外に腫瘤性病変がないことを確認した。
病理組織学的検査では腫瘤は筋層主体の上皮性腫瘍であり、免疫染色にてC-kit陽性、CD34陽性、SMA陰性、S-100陰性が確認されてGISTの診断となった。家族歴もなく特徴的な皮膚所見が認められなかったことから神経線維腫症は否定的であった。遺伝的背景の有無に関しては専門外来にコンサルト中である。
多発するGISTが腹膜播種である可能性も考え外来でイマチニブを投与しており、現在術後6か月無再発経過中である。今回、多発小腸GISTの一例を経験したので報告する。