Presentation Information
[P28-5]鼠径リンパ節転移を伴う肛門管扁平上皮癌に対して化学放射線治療後の残存病変に対し根治術を行った結果pCRであった1例
池庄司 浩臣, 高橋 孝夫, 中島 翔太, 坂本 倫太郎, 水野 万知, 佐野 仁哉, 櫻谷 卓司, 小島 則昭, 西尾 公利, 飯田 辰美 (西濃厚生病院)
症例は70歳代の女性。肛門部のしこりを主訴に外来を受診した。肛門の7時方向に茎をもつ64mm大の肛門腫瘍を認めた。腫瘍からの組織検査で扁平上皮癌と診断された。全身検索の画像検査で右鼠径リンパ節に複数の転移を疑う腫大を認めた。他に癌の遠隔転移を疑う所見は認めず、根治的化学放射線治療を予定した。マイトマイシン+5-FU療法2サイクルと患部への放射線照射59.4Gy/33frを併施した。化学放射線治療終了後約8週間に治療効果判定の画像検査等の評価を行った。原発巣は著明な縮小を認めたが肉眼的にも小指頭大の残存があり、右鼠径リンパ節もいずれも縮小は得られたものの腫大は残存した。このため残存病変に対して根治術を行った。1cmのマージンを取って肛門腫瘍を切除し、右鼠径部リンパ節郭清を併施した。病理組織学的検査で切除組織にviableな腫瘍組織はみられずpCRと診断された。術後は創感染を認めたが概ね良好な経過であった。
我々は肛門管扁平上皮癌に対して化学放射線治療後の残存病変に対し根治術を行った結果pCRであった1例を経験したので本症例に対して若干の文献学的考察を加えて報告する。
我々は肛門管扁平上皮癌に対して化学放射線治療後の残存病変に対し根治術を行った結果pCRであった1例を経験したので本症例に対して若干の文献学的考察を加えて報告する。