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[P29-6]呼吸器外科と連携し結腸癌術後肺転移に対して区域切除を選択した一例
尾崎 邦博1, 加倉 明日香1, 中根 浩幸1, 橋口 俊洋1, 林田 良三1, 藤田 文彦2 (1.大分県済生会日田病院外科, 2.久留米大学外科)
結腸癌術後初発再発部位別臓器としては、肺転移は肝転移の次に頻度が高く、条件を満たせば手術を行うことが多い。術式は肺部分切除が選択されることが多いが、状況によっては肺区域切除、肺葉切除が選択される。今回、結腸癌術後肺転移の症例を呼吸器外科医と方針と術式を検討するとともに、当院の大腸癌肺転移疑いに対する方針を決めたため報告する。
症例は75歳男性。2023年9月に上行結腸癌の診断で腹腔鏡下右結腸切除術、D3郭清を施行。術後診断はT4aN1aM0 Stage3b。術後ユーゼル、UFTを半年間投与した。2024年12月胸部単純CTで右肺S3に2cmの結節を認めた。PETで集積認めず。呼吸器外科と連携し方針と術式を検討後、2025年3月胸腔鏡下右肺S3区域切除を施行した。術後経過は良好であった。病理診断では上行結腸癌の肺転移であった。
肺転移が疑われても部分切除が困難な症例は存在する。また、術後に原発性肺癌の診断となれば追加の手術が必要となることを避けたい症例も多い。近年、原発性肺癌に対しては年齢や性別の条件を満たせば区域切除も適応となっている。区域切除は葉切除と比べ術後の呼吸機能温存につながり、これは大腸癌の肺転移疑いの肺腫瘍に対する術式決定にも影響する。
他方で区域切除に慣れてない場合は術中合併症リスクや手術時間延長が予想される。そのため術式は、それぞれの施設で大腸外科と呼吸器外科が十分検討して決めるべきと思われた。本症例を通して当院での大腸癌術後肺転移疑いに対する術式決定に関わったため併せて報告する。
症例は75歳男性。2023年9月に上行結腸癌の診断で腹腔鏡下右結腸切除術、D3郭清を施行。術後診断はT4aN1aM0 Stage3b。術後ユーゼル、UFTを半年間投与した。2024年12月胸部単純CTで右肺S3に2cmの結節を認めた。PETで集積認めず。呼吸器外科と連携し方針と術式を検討後、2025年3月胸腔鏡下右肺S3区域切除を施行した。術後経過は良好であった。病理診断では上行結腸癌の肺転移であった。
肺転移が疑われても部分切除が困難な症例は存在する。また、術後に原発性肺癌の診断となれば追加の手術が必要となることを避けたい症例も多い。近年、原発性肺癌に対しては年齢や性別の条件を満たせば区域切除も適応となっている。区域切除は葉切除と比べ術後の呼吸機能温存につながり、これは大腸癌の肺転移疑いの肺腫瘍に対する術式決定にも影響する。
他方で区域切除に慣れてない場合は術中合併症リスクや手術時間延長が予想される。そのため術式は、それぞれの施設で大腸外科と呼吸器外科が十分検討して決めるべきと思われた。本症例を通して当院での大腸癌術後肺転移疑いに対する術式決定に関わったため併せて報告する。