Presentation Information
[P31-2]当院における進行下部直腸癌に対する側方郭清の短期・長期成績の検討
南角 哲俊, 上野 啓輔, 大野 裕文, 小泉 彩香, 山崎 健司, 三井 愛, 峯崎 俊亮, 浅見 桃子, 高島 順平, 杉本 斉, 藤本 大裕, 黒田 浩章, 三浦 文彦, 小林 宏寿 (帝京大学医学部附属溝口病院)
【背景】大腸癌治療ガイドラインによると、cT3以深の下部直腸癌に対して術前・中診断で側方リンパ節転移陽性の場合は側方郭清(LLND)を行うことを強く推奨している。また、術前治療を行った症例に対しては、治療前に腫大した側方リンパ節がある場合はLLNDの省略は推奨されないとしている。当科のLLNDの適応はガイドラインに則っているが、術前側方リンパ節陽性の症例に対しては術前治療を導入した後、転移側のLLNDを実施している。また、高齢者や重篤な併存疾患のある症例ではLLNDを省略している。
【目的】当科における側方郭清症例の短期・長期成績および郭清効果を検討すること。
【対象】2014-2024年に、大腸癌ガイドラインに則り、側方郭清の適応がある下部進行直腸癌に対して原発切除を施行した症例を後方視的に解析した。
【結果】側方郭清施行群(以下、LLND+群)は20例、側方郭清未施行群(以下、LLND-群)は16例であった。年齢、性別は両群で差を認めなかった。ASA3以上の患者はLLND-群で多いものの両群で差を認めなかった(p=0.16)。術前治療はLLND+群で40%、LLND-群で37.5%であった。全例で鏡視下手術が施行されていた。LLND+群では、LD2が13例、LD1が7例実施されていた。手術時間はLLND+群で588分、LLND-群で428分とLLND+群で長い傾向であったが有意差は認めなかった (p=0.08)。出血量は両群で同等であった(244ml vs 250ml,p=0.84)。術後在院期間も両群で同等であった (15日vs 14日,p=0.84)。全合併症率も両群で差を認めず,術後3年生存率はLLND+群で86.6%、LLND-群で50.63%(p=0.16)、無再発生存率はLLND+群で87.7%、LLND-群で77.1%(p=0.42)であった。
【結論】当科における側方郭清の適応は妥当であり、安全に実施できていた。
【目的】当科における側方郭清症例の短期・長期成績および郭清効果を検討すること。
【対象】2014-2024年に、大腸癌ガイドラインに則り、側方郭清の適応がある下部進行直腸癌に対して原発切除を施行した症例を後方視的に解析した。
【結果】側方郭清施行群(以下、LLND+群)は20例、側方郭清未施行群(以下、LLND-群)は16例であった。年齢、性別は両群で差を認めなかった。ASA3以上の患者はLLND-群で多いものの両群で差を認めなかった(p=0.16)。術前治療はLLND+群で40%、LLND-群で37.5%であった。全例で鏡視下手術が施行されていた。LLND+群では、LD2が13例、LD1が7例実施されていた。手術時間はLLND+群で588分、LLND-群で428分とLLND+群で長い傾向であったが有意差は認めなかった (p=0.08)。出血量は両群で同等であった(244ml vs 250ml,p=0.84)。術後在院期間も両群で同等であった (15日vs 14日,p=0.84)。全合併症率も両群で差を認めず,術後3年生存率はLLND+群で86.6%、LLND-群で50.63%(p=0.16)、無再発生存率はLLND+群で87.7%、LLND-群で77.1%(p=0.42)であった。
【結論】当科における側方郭清の適応は妥当であり、安全に実施できていた。