Presentation Information
[P32-2]直腸手術における一時的小腸人工肛門造設によるhigh output syndromeのリスク因子
上田 康二1, 松本 智司1, 南村 圭亮1, 山岸 杏彌1, 中村 慶春1, 山田 岳史2, 吉田 寛2 (1.日本医科大学千葉北総病院外科, 2.日本医科大学付属病院)
【緒言】直腸手術において、リスクの高い症例では一時的小腸人工肛門(ileostomy)の造設が行われることが多い。しかし、ileostomy特有の合併症も多く、その中でもhigh output stoma(HOS)は重症化するとその後の治療にも影響を与える。本研究ではHOSのリスク因子について検討を行った。
【方法】2020年4月~2025年3月までに当院で施行された直腸手術において一時的小腸人工肛門造設術が施行された41例を対象とした。周術期に2000ml/dayの排液を認めた症例や術後通院期間中に脱水・電解質機能異常をきたし入院加療が必要となった症例をHOSと定義し、HOS群と非HOS群の比較を行った。
【結果】HOS群/非HOS群はそれぞれ20例/21例であり、男性が17例(85%)/12例(57.1%)であり有意に男性で多かった(P=0.05)。年齢の中央値が64(37-77)歳/72(48-88)歳(P=0.08),Albの中央値が4.1(2.3-4.9)g/dL/4.1(1.3-4.7)g/dL(P=0.086),BMIの中央値が23.9(15.4-28.6)kg/m2/23.2(18.4-31.4)kg/m2(P=0.87)腹直筋の厚さの中央値は 11.0(7.5-15.9)mm/9.1(4.1-22.9) mm(P=0.15)、皮下脂肪の厚さの中央値は18.2(6.8-34.8) mm/19.3(4.5-41.5) mm(P=0.26)腹壁と腹直筋の厚さの比は0.36(0.28-0.55)/ 0.33(0.15-0.84) でありいずれも有意差は認めなかった。また、骨格筋指数の中央値は7.3(5.3-8.4) /7.4(4.7-9.1)(P=0.6)、細胞外水分比の中央値は0.388(0.37-0.413)/0.39(0.373-0.409)(P=0.61) 、位相角の中央値は4.85(3.4-6.7)/4.85(3.3-6.3)(P=0.72)であり術前のサルコペニアであることはhigh outputのリスクではなかった。
【まとめ】HOSは男性で多いが、男性は縫合不全のリスクが高いことも知られており、どのような症例で一時的人工肛門造設を行うかにおいてはさらなる検討が必要である。
【方法】2020年4月~2025年3月までに当院で施行された直腸手術において一時的小腸人工肛門造設術が施行された41例を対象とした。周術期に2000ml/dayの排液を認めた症例や術後通院期間中に脱水・電解質機能異常をきたし入院加療が必要となった症例をHOSと定義し、HOS群と非HOS群の比較を行った。
【結果】HOS群/非HOS群はそれぞれ20例/21例であり、男性が17例(85%)/12例(57.1%)であり有意に男性で多かった(P=0.05)。年齢の中央値が64(37-77)歳/72(48-88)歳(P=0.08),Albの中央値が4.1(2.3-4.9)g/dL/4.1(1.3-4.7)g/dL(P=0.086),BMIの中央値が23.9(15.4-28.6)kg/m2/23.2(18.4-31.4)kg/m2(P=0.87)腹直筋の厚さの中央値は 11.0(7.5-15.9)mm/9.1(4.1-22.9) mm(P=0.15)、皮下脂肪の厚さの中央値は18.2(6.8-34.8) mm/19.3(4.5-41.5) mm(P=0.26)腹壁と腹直筋の厚さの比は0.36(0.28-0.55)/ 0.33(0.15-0.84) でありいずれも有意差は認めなかった。また、骨格筋指数の中央値は7.3(5.3-8.4) /7.4(4.7-9.1)(P=0.6)、細胞外水分比の中央値は0.388(0.37-0.413)/0.39(0.373-0.409)(P=0.61) 、位相角の中央値は4.85(3.4-6.7)/4.85(3.3-6.3)(P=0.72)であり術前のサルコペニアであることはhigh outputのリスクではなかった。
【まとめ】HOSは男性で多いが、男性は縫合不全のリスクが高いことも知られており、どのような症例で一時的人工肛門造設を行うかにおいてはさらなる検討が必要である。