Presentation Information
[P35-2]クローン病癌併発例の診断と予後に関する検討
小川 真平, 番場 嘉子, 金子 由香, 二木 了, 腰野 蔵人, 前田 文, 谷 公孝, 山口 茂樹 (東京女子医科大学消化器・一般外科)
【目的】クローン病に併発した癌は診断時にすでに進行していることが多く、その要因の一つとして早期発見の困難さが報告されている。自験例の解析からクローン病癌併発例の診断と予後について検討する。
【方法】クローン病症例で癌を併発した13例を対象とし、臨床病理学的因子および術後経過の解析からクローン病癌併発例の診断と予後の現状について考察した。
【結果】男性:9名、女性:4名、平均年齢 55.1歳、罹病期間は29.3年、占居部位は、小腸:3例、盲腸:2例、直腸肛門管:8例、組織型は、tub1:2例、tub2:1例、por:2例、muc:4例、sig:1例、scc:1例、verrucous carcinoma:1例であった。発見契機は、症状:8例、定期CS: 3例、他検査で偶然:2例、内視鏡下生検で診断可能であったのは2例、麻酔下針生検や経肛門的局所切除での診断が6例、切除標本で判明が4例であった。FDG-PETでは、全例で腫瘍に集積が確認された。直腸肛門管のTis症例は20mm 大でSUVmax は11.26。T1aで70mm大の小腸癌でも集積があり、SUVmaxは17.84であった。切除例は11例、非切除例は、肝、腹膜転移を伴い人工肛門を造設した小腸癌の症例とsccでCRTを行った肛門管癌の症例であった。切除例のうち大腸癌を併発した9例の内訳は、Stage0:1例、StageⅠ:2例、StageⅡ:1例、StageⅢ:3例、StageⅣ:2例。Stage0とStageⅠ症例は無再発生存中だが、その他7例はいずれも原癌死。StageⅡとStageⅢの4例中2例は2年以内に死亡しており、進行癌の予後は不良であった。小腸癌を併発した2例については、T1a症例が無再発生存、T4a症例は術後10か月後に腹膜播種再発し現在化学療法中である。
【考察】進行癌の予後は不良であり早期の段階での診断および治療が望まれる。確定診断は内視鏡下生検では診断できないことが多く、麻酔下針生検も積極的に行うことが重要と考えられた。また、FDG-PETは炎症部分との鑑別が問題となるが、全例で集積が確認されており、癌の存在診断の補助として役立つ可能性が考えられた。
【方法】クローン病症例で癌を併発した13例を対象とし、臨床病理学的因子および術後経過の解析からクローン病癌併発例の診断と予後の現状について考察した。
【結果】男性:9名、女性:4名、平均年齢 55.1歳、罹病期間は29.3年、占居部位は、小腸:3例、盲腸:2例、直腸肛門管:8例、組織型は、tub1:2例、tub2:1例、por:2例、muc:4例、sig:1例、scc:1例、verrucous carcinoma:1例であった。発見契機は、症状:8例、定期CS: 3例、他検査で偶然:2例、内視鏡下生検で診断可能であったのは2例、麻酔下針生検や経肛門的局所切除での診断が6例、切除標本で判明が4例であった。FDG-PETでは、全例で腫瘍に集積が確認された。直腸肛門管のTis症例は20mm 大でSUVmax は11.26。T1aで70mm大の小腸癌でも集積があり、SUVmaxは17.84であった。切除例は11例、非切除例は、肝、腹膜転移を伴い人工肛門を造設した小腸癌の症例とsccでCRTを行った肛門管癌の症例であった。切除例のうち大腸癌を併発した9例の内訳は、Stage0:1例、StageⅠ:2例、StageⅡ:1例、StageⅢ:3例、StageⅣ:2例。Stage0とStageⅠ症例は無再発生存中だが、その他7例はいずれも原癌死。StageⅡとStageⅢの4例中2例は2年以内に死亡しており、進行癌の予後は不良であった。小腸癌を併発した2例については、T1a症例が無再発生存、T4a症例は術後10か月後に腹膜播種再発し現在化学療法中である。
【考察】進行癌の予後は不良であり早期の段階での診断および治療が望まれる。確定診断は内視鏡下生検では診断できないことが多く、麻酔下針生検も積極的に行うことが重要と考えられた。また、FDG-PETは炎症部分との鑑別が問題となるが、全例で集積が確認されており、癌の存在診断の補助として役立つ可能性が考えられた。