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[P41-2]進行中央部横行結腸癌に対する結腸部分切除術vs拡大右半結腸切除術

太田 絵美1, 諏訪 宏和1, 大坊 侑1, 大田 洋平1, 小野 秀高1, 吉田 謙一1, 諏訪 雄亮2, 中川 和也3, 小澤 真由美3, 野尻 和典1, 熊本 宜文1 (1.横須賀共済病院外科, 2.横浜市立大学附属市民総合医療センター消化器病センター外科, 3.横浜市立大学附属病院消化器・腫瘍外科学)
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【目的】
中央部横行結腸癌は拡大右半結腸切除術と結腸部分切除術が施行されているが、術式選択については未だ議論の余地がある。今回我々は、進行中央部横行結腸癌の術式について検討した。
【方法】
2013年4月から2022年12月まで遠隔転移を伴わない中央部横行結腸癌に対して、2施設(施設1、2)で中結腸動脈根部処理を伴うD3郭清を施行した86例を対象とした。
横行結腸部分切除術施行群(TC群:36例)、拡大右半結腸切除術施行群(exRHC群:50例)を後方視的に比較した。
【結果】
両群の患者背景として(以下TC vs. exRHC)、比較年齢中央値(歳)72 vs. 74(p=0.393)、男女比16例(44.4%):20例(55.6%)vs. 32(64%):18(36%)(p=0.133)、BMI中央値21.7 vs. 22.1(p=0.831)であり両群間で背景因子に差は認めなかった。
腹腔鏡手術施行率86.5% vs. 86.3%(p=1)、手術時間中央値(分)は193 vs. 226(p<0.001)、術中出血量中央値(ml)は7 vs. 10(p=0.647)であり、exRHCで有意に手術時間が長かった。
術後合併症率(Clavien-Dindo all grade)は8/36(22.2%) vs. 17/50(34%)(p=0.336)であり有意差を認めなかったが、腸閉塞(Clavien-Dindo all grade)については0/37(0%)vs. 10/50(20%)(p=0.004)でありexRHCで有意に多かった。術後食事開始日(日)は2 vs 3(p=0.02)、術後在院日数(日)は6 vs. 8(p<0.001)でありexRHCにおいて有意に長かった。
病理学的所見は、リンパ節郭清個数中央値23.5 vs. 38.5 (p<0.001)、転移リンパ節総数中央値は0 vs. 0(p=0.274)、p-StageはI: II: III = 13: 12: 11 vs. 5: 23: 22(p=0.104)であった。3年無再発生存率は91.2% vs. 87.1%(p=0.547)、3年生存率は96.8% vs. 94.0%(p=0.505)であり有意差は認めなかった。
【結論】
中央部横行結腸癌において、exRHCでは手術時間が長く、腸閉塞発生率が高く、食事開始時期が遅くなり、結果術後在院期間が延長していた。可能な症例は結腸部分切除術を選択することが有用である可能性がある。