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[P41-4]当院における高度肥満を伴う大腸癌に対しロボット支援下手術でアプローチした2例の検討

中島 啓, 馬場 裕信, 奥村 祐輝, 柴野 潤, 小山 照央, 山崎 嘉美, 梅林 佑弥, 赤須 雅文 (草加市立病院)
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高度肥満症例に対する腹腔鏡下手術の治療成績に関する報告は非常に少なく症例を蓄積し手技上の問題点や工夫などを明らかにしていくことは重要な課題である。当院では2023年4月から、daVinci® Xi™surgical systemを用いたロボット支援手術を導入しており、2025年4月までに、Body mass index(以下,BMI と略記)35kg/m2以上の高度肥満を伴う大腸癌に対しロボット支援下手術を施行した2例を検討した。執刀医師経験年数はいずれも11年目の外科医。1例目は55歳男性、BMI46.6。横行結腸癌cT3N1aM0, cStageIIIbに対し、ロボット支援下結腸右半切除術、D3郭清を施行した。吻合は体腔内吻合(Overlap吻合)を施行した。手術時間は439分(コンソール時間370分)、術中出血量20mLで周術期輸血はなかった。術後在院日数は9日。術後合併症なく退院した。病理結果はpT3N1aM0、pStageIIIbであり、術後化学療法としてCAPOX計8コースを施行中である。2例目は、70歳男性、BMI38.6。直腸S状部癌cT3N1a0、cStageIIIbに対し、ロボット支援下高位前方切除術、D3郭清を施行した。手術時間は302分(コンソール時間207分)、術中出血量7mLで周術期輸血はなかった。術後在院日数は7日。術後合併症なく退院した。病理結果はpT3N0M0、pStageIIaであり、現在術後サーベイランスを行っている。2例ではあるが、当院では高度肥満を伴う大腸癌に対し、手術時間の延長や出血量のある程度の増加は認めたものの、周術期輸血や術後合併症なく、安全にロボット支援下手術を施行できていた。今後さらに症例を積み重ね、高度肥満症例に対するロボット支援下手術の安全性および有用性を検討していく予定である。