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[PD2-4]Evaluation of the surgical technique and treatment outcomes of SSG for anal fissure and anal stenosis
Naoto Nishigori1, 佐々木 義之1, 錦織 ルミ子1, 錦織 麻衣子1, 尾原 伸作2, 錦織 方人1 (1.Nishigori Hospital, 2.国保中央病院外科)
【はじめに】当院では難治性裂肛・肛門狭窄症例に対しSSGによる根治手術を主に行なっており、その手術手技と術後成績を報告する。【手術適応と手術手技】肛門狭窄は絶対適応、難治性裂肛や肛門ポリープ等の付随性病変合併例を相対適応としている。肛門内圧検査による術前の肛門括約筋機能評価を行う。腰椎麻酔下に肛門径測定ゲージによる肛門径測定をした後に手術を開始する。SSGは通常1ヶ所であるが拡張の程度により2ヶ所施行する。拡張の指標は肛門周囲径80mmとするが、過剰な括約筋切除にならないよう注意する。肛門縁皮膚と粘膜の縫合は吸収糸で5針程度行ない、縫合部より1cm弱外側の皮膚切開を行い、皮膚をslidingさせる。肛門径の測定を行ない、手術を終了する。【成績】2017年1月から2024年12月の裂肛初診患者数は3854人で、うち311例に根治術を施行し(手術率8.1%)、SSGは294例に行なった。術後出血は0%、難治創が2例、皮垂形成で切除が2例、肛門周囲膿瘍が1例、再発は5例であった。術後便失禁を12例に認め、内9例は術前より便失禁があった。術前の肛門径の中央値は52mm(10-81mm)、術後の中央値は80mm(71-89mm)であった。術前後に肛門内圧検査を行った症例は138例で、術前最大静止圧(以下MRP)の中央値は63.7mmHg(28.4-132.1 mmHg)であったが、85mmHg以上の異常高値例が32例、45mmHg以下の低下例が13例と症例間の格差が大きかった。また術後MRP中央値は51.5mmHg(16.0-91.6mmHg)であったが、40mmHg未満の症例を21例認めた。術前の肛門機能評価は術中の括約筋切除量の指標としており、MRP低値例では便失禁のリスクを考慮し、括約筋切除量を最低限に止めるように心がけている。また術前後での症状評価では「痛みなし」との回答が術後2ヵ月で79%、3ヵ月で95%、「排便が出しやすい」が術後2ヵ月で92%、3ヵ月で99%であった。【まとめ】当院におけるSSGの術後成績は客観的指標と術後患者調査からも妥当な結果であった。