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[PD3-1]Best way for the anal fistula associated with Crohn’s disease

Satomi Furukawa, 新谷 裕美子, 井上 英美, 大城 泰平, 西尾 梨沙, 岡本 欣也, 山名 哲郎 (JCHO Tokyo Yamate Medical Center Coloproctology Center)
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目的:クローン病に伴う痔瘻においては、手術を行った際の難治創や肛門の変形、それに伴う便失禁などの問題のためドレナージを基本としたものが多かった。しかし近年、痔瘻癌を含む直腸肛門部の癌の発生が目立つようになってきているため、痔瘻は可能であれば治癒の状態にすることが望ましいと考えている。手術手技を含め、治癒を目指すための方法を検討した。
方法 2019年1月から2025年4月までに同一術者が手術を行ったクローン病に伴う痔瘻103病変に対して検討を行った。痔瘻の原発口一か所を1病変とした。手術はドレナージ手術19病変、シートン法(肛門内にシートンを入れるloose seton)53病変、根治手術(開放術、tight seton法、LIFT : Ligation of intersphincteric fistula tract)19病変、ダルバドストロセル(DVS)投与12病変の4種類に分類。手術の結果は「治癒」、「改善」、「改善なし」に分類し、「改善なし」には再燃、再手術、人工肛門造設、直腸切断術を含めた。
結果:手術方法別の成績は「治癒」、「改善」、「改善なし」の順にドレナージ術では15.7%/21.1%/63.2%、シートン法で18.9%/30.2%/50.9%、根治手術で57.8%/10.6%/31.6%、DVSでは41.7%/41.7%/16.7%であった。手術方法に加え内科治療別や手術回数別での検討も行ったが、差は認めなかった。
考察;手術別で検討した場合、根治術・DVSが治療成績は良い傾向と思われる。根治術では、CDが寛解している場合にtjght setonを行ったり、複雑な痔瘻を前の手術により単純化した後にLIFTを行っている。ドレナージ術では原発口を縫合し不良肉芽を掻把する方法をとったものがあるが、成績が悪かった。シートン法では以前にシートン法を施行した後の再手術症例が含まれており、このような症例はシートンの抜去は困難である。ドレナージおよびシートン法において、深部痔瘻であっても瘻管をすべて切除すると、治癒は可能であった。
まとめ:痔瘻を治癒させるための条件を更に検討したい。