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[PD3-11]An observational post-marketing registry on the safety and effectiveness of darvadstrocel for complex perianal fistulas in Japanese patients with Crohn’s disease

Kinya Okamoto1, 水島 恒和2, 池内 浩基3, 梅澤 明弘4, 田中 圭佑5, 中野 晋5 (1.Coloproctology Center, Tokyo Yamate Medical Center, 2.獨協医科大学外科学(下部消化管)講座, 3.兵庫医科大学消化器外科学炎症性腸疾患外科, 4.国立成育医療研究センター研究所, 5.武田薬品工業株式会社ジャパンメディカルオフィス)
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【背景と目的】ヒト(同種)脂肪組織由来間葉系幹細胞の懸濁液であるダルバドストロセル(DVS)は、クローン病(CD)に伴う複雑痔瘻の治療に使用する再生医療等製品であり、本邦では2021年に承認された。市販後の製造販売後調査として全例調査を実施中であり、その中間解析としてDVS投与後の安全性と有効性を評価したため報告する。
【対象と方法】対象は、国内でDVSが投与された複雑痔瘻を有するCD患者のうち、2021年11月から2025年2月の間で市販後観察レジストリに登録された患者とした。DVS初回投与時、投与6ヵ月後、12ヵ月後に、患者背景、有害事象、有効性に関する項目を収集した。有効性の指標として、臨床寛解(DVSを投与したすべての二次口が軽い指押しを行っても排膿がみられず閉鎖したと臨床的に確認された場合)、PDAIスコアなどを評価した。
【結果】50施設から156例が登録され、107例の調査票を収集した。そのうち、評価対象は安全性:76例、有効性:70例であった。76例の患者背景(年齢や期間はいずれも中央値)は、年齢:34.0歳(16-73歳)、男性:57例(75.0%)、CDの罹病期間:8.8年(0.5-41.1年)、複雑痔瘻の罹病期間:5.6年(0.5-30.9年)、シートン法を含む肛門周囲疾患に関する平均手術既往回数:2.8回、DVSを投与した原発口が1つの患者:55例(72.4%)、投与後の観察期間:361日(140-797日)であった。併用薬を使用していたのは67例(88.2%)で、メサラジン:32例(42.1%)、インフリキシマブ:22例(28.9%)、アザチオプリン:17例(22.4%)の順で併用される頻度が高かった。有害事象は11/76例(14.5%)にみられ、主なものは肛門膿瘍が3例(4.0%)、痔瘻が2例(2.6%)であった。投与6ヵ月後、12ヵ月後に臨床寛解と判定された症例数はそれぞれ、39/54例(72.2%)、25/37例(67.6%)であった。PDAIスコアの平均値は、初回投与時(30例)、投与6ヵ月後(33例)、12ヵ月後(25例)でそれぞれ、7.3、2.7、2.0であった。
【結論】DVSに関する製造販売後調査の中間解析結果は、安全性と有効性において過去に報告された国内第3相試験結果と類似していた。また、安全性に関する新たな懸念は認められなかった。