Presentation Information
[PD6-8]The Criteria for Lateral Lymph Node Dissection in Patients After Total Neoadjuvant Therapy for Advanced Lower Rectal Cancer
Misato Takao, 出嶋 皓, 坂元 慧, 中守 咲子, 加藤 博樹, 中野 大輔, 川合 一茂 (Tokyo Metropolitan Cancer and Infectious Diseases Center Komagome Hospital)
【目的】下部進行直腸癌においてCRT後であっても一定の基準で側方郭清を追加した方がよいとされ、その基準の1つとして治療前画像診断にて長径8mm、短径5mmがカットオフ値として用いられることが多い。しかしながらTNT症例における至適な側方郭清基準については未だ明確な指標がない。
【対象】2020年12月から2025年3月までに術前TNT後に根治手術を施行した下部進行直腸癌39例。TNTとしてshort course RT後にCAPOX 4-5 courseを施行し、治療前後の側方リンパ節の短径・長径を測定した。郭清により側方転移陽性であった症例又は術後に側方転移を来した症例を側方転移陽性と判定した。
【結果】治療開始時の肛門縁から腫瘍までの距離は平均20mm (0-70)、側方郭清は郭清なしが17例、片側郭清が17例、両側が5例であった。組織学的治療効果判定はGrade 1が16例(41.0%)、Grade2が13例(33.4%)、Grade3が10例(25.6%)。側方郭清を施行した22例中1例に片側の側方転移を認め、また側方郭清省略症例の経過中に1例の側方再発を認めたため、TNT後の側方転移率は左右を別領域として2.6%と推定された。側方転移の2例のうち1例は治療前後の長径が5mm→5mm、短径が4mm→4mmであり、もう一例では長径が8mm→3mm、短径が7mm→3mmであった。これに対し転移陰性症例では治療前後の長径の中央値が7mm→5mm、短径の中央値が5mm→4mmであった。
【結後】TNT症例においては長径8mm、短径5mmに満たない症例でも側方リンパ節転移を認めた。さらなる症例の蓄積が必要であるが、既存のCRTと側方郭清の基準が異なる可能性がある。
【対象】2020年12月から2025年3月までに術前TNT後に根治手術を施行した下部進行直腸癌39例。TNTとしてshort course RT後にCAPOX 4-5 courseを施行し、治療前後の側方リンパ節の短径・長径を測定した。郭清により側方転移陽性であった症例又は術後に側方転移を来した症例を側方転移陽性と判定した。
【結果】治療開始時の肛門縁から腫瘍までの距離は平均20mm (0-70)、側方郭清は郭清なしが17例、片側郭清が17例、両側が5例であった。組織学的治療効果判定はGrade 1が16例(41.0%)、Grade2が13例(33.4%)、Grade3が10例(25.6%)。側方郭清を施行した22例中1例に片側の側方転移を認め、また側方郭清省略症例の経過中に1例の側方再発を認めたため、TNT後の側方転移率は左右を別領域として2.6%と推定された。側方転移の2例のうち1例は治療前後の長径が5mm→5mm、短径が4mm→4mmであり、もう一例では長径が8mm→3mm、短径が7mm→3mmであった。これに対し転移陰性症例では治療前後の長径の中央値が7mm→5mm、短径の中央値が5mm→4mmであった。
【結後】TNT症例においては長径8mm、短径5mmに満たない症例でも側方リンパ節転移を認めた。さらなる症例の蓄積が必要であるが、既存のCRTと側方郭清の基準が異なる可能性がある。