Presentation Information
[PD8-2]A Comprehensive Approach to Female Patient Care in a Proctology Clinic: Clinical Practice in Surgery, Colonoscopy, and Hair Removal of the Vulvar, Perineal, and Perianal Regions
Satoka Nasu (Women’s Clinic Urawa)
【背景】当院は2022年11月に開院した女性専用の大腸肛門科クリニックである。痔疾患をはじめとする肛門部の悩みに幅広く対応しており、当院の取り組みと課題について報告する。
【取り組み】①日帰り手術:育児や仕事、介護などにより入院が難しい女性に対応するため、手術希望者の90%以上を日帰りで実施し、年間600件以上の手術を施行している。妊娠・出産後に形成される肛門皮垂に悩む患者も多く、排便後の清拭困難等を訴える症例には、整容面にも配慮の上、手術を実施している。②大腸内視鏡検査:女性の死亡原因第1位である大腸がんの早期発見を目的に、肛門疾患で受診した患者に対して内視鏡検査を積極的に勧めている。③VIO脱毛:近年、VIO脱毛の需要が高まる中で、「痔や皮垂があると照射できない」との誤解から相談目的での来院が増加しているが、実際は照射は可能である。当院では開院当初より脱毛機器を導入し、痔疾患と脱毛の両方に対応することで不安軽減と満足度向上に努めている。④他科連携:便秘による腹圧性尿失禁や過活動膀胱、過敏性腸症候群、性交痛や慢性骨盤痛など、女性泌尿器科と重複する症例に対しては専門的診療への橋渡しを行っている。また、周産期に発症しやすい肛門疾患については地域の産婦人科と連携し、円滑な診療体制を構築している。⑤SNS活用:SNSとの親和性が高い女性層に向け、情報発信を通じて認知度の向上と受診導入、女性特有の肛門疾患への啓発を図っている。
【課題と展望】「大腸内視鏡・手術・VIO脱毛」のすべてを希望される患者も多く、当院ではこれらに対応した包括的な診療を行っている。一方、外来を一人で担当しているため説明の一貫性は保ちやすいが、診療が時間通りに進まない、検査・手術と外来を同時に実施できないといった課題がある。限られた時間内で、より効率的な運営体制の構築が求められる。また、女性専用であることから、付き添いの男性やLGBT患者への対応にも配慮が必要である。今後も、女性の肛門疾患に対するニーズの変化を捉え、柔軟かつ質の高い医療の提供に努めていきたい。
【取り組み】①日帰り手術:育児や仕事、介護などにより入院が難しい女性に対応するため、手術希望者の90%以上を日帰りで実施し、年間600件以上の手術を施行している。妊娠・出産後に形成される肛門皮垂に悩む患者も多く、排便後の清拭困難等を訴える症例には、整容面にも配慮の上、手術を実施している。②大腸内視鏡検査:女性の死亡原因第1位である大腸がんの早期発見を目的に、肛門疾患で受診した患者に対して内視鏡検査を積極的に勧めている。③VIO脱毛:近年、VIO脱毛の需要が高まる中で、「痔や皮垂があると照射できない」との誤解から相談目的での来院が増加しているが、実際は照射は可能である。当院では開院当初より脱毛機器を導入し、痔疾患と脱毛の両方に対応することで不安軽減と満足度向上に努めている。④他科連携:便秘による腹圧性尿失禁や過活動膀胱、過敏性腸症候群、性交痛や慢性骨盤痛など、女性泌尿器科と重複する症例に対しては専門的診療への橋渡しを行っている。また、周産期に発症しやすい肛門疾患については地域の産婦人科と連携し、円滑な診療体制を構築している。⑤SNS活用:SNSとの親和性が高い女性層に向け、情報発信を通じて認知度の向上と受診導入、女性特有の肛門疾患への啓発を図っている。
【課題と展望】「大腸内視鏡・手術・VIO脱毛」のすべてを希望される患者も多く、当院ではこれらに対応した包括的な診療を行っている。一方、外来を一人で担当しているため説明の一貫性は保ちやすいが、診療が時間通りに進まない、検査・手術と外来を同時に実施できないといった課題がある。限られた時間内で、より効率的な運営体制の構築が求められる。また、女性専用であることから、付き添いの男性やLGBT患者への対応にも配慮が必要である。今後も、女性の肛門疾患に対するニーズの変化を捉え、柔軟かつ質の高い医療の提供に努めていきたい。