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[PD8-3]Actual day surgery for anorectal deseases at our clinic

Makoto Ohara (OHARA MAKOTO Digestive and Proctological Surgery Clinic)
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無床診療所である当院では2001年の開院以来、直腸肛門疾患に対し、day surgeryによる治療を行ってきた。day surgeryを行う場合、できるだけ術後疼痛を軽くすること、処置を要するような術後出血を起こさないこと、術後の創部管理が簡単なことなどが重要となってくる。しかしこれらを重視するあまり、肝心な根治性が下がるようでは、価値のある治療とは言えない。相応の根治性を担保されたday surgeryを成り立たせることで患者サイド、医療者サイド双方の福音になり得ると考える。
 まず痔核に対してはALTA療法を主体にして、的確な適応基準を決め、単独療法可能な症例は、切らずに治すというメリットを最大限活かし、また最小限の外痔核切除を付加することで、根治性と汎用性を担保する。裂肛、肛門狭窄に対しては括約筋レベルでの狭窄はLSIS、肛門上皮の狭窄にはSSG-VFflapを行っている。II型痔瘻に対しては、瘻管を被覆に利用する、岩垂-小村式を主体に行っている。根治性及び汎用性が高く、術後創管が容易で、疼痛が比較的少ないというのが、その理由である。Ⅲ型は、枝葉の瘻管をくり抜き、肛門後方を正中切開にてPDSを処理、原発口は直腸粘膜を剥離し被覆する宮田式や、原発口からPDSに血管テープを通すシートン法、原発口からPDSまでの括約筋を切開するlay open法などを行っている。肛門後方のくり抜いた創部は出血予防としてガーゼを埋め込み糸で縫合し、1〜2週間ほど保護することで術後出血の予防を行っている。毛巣洞は感染組織を筋膜付近まで摘除したのち、Rhomboid flapにて形成を行っている。後出血なく、テンションがかからないため痛みも少ない。膿皮症に対しても、皮下の感染組織を摘除したのち、いくつかの開窓口を形成し、皮下にガーゼを留置し出血の予防や、浸出液を減らす手段としている。直腸脱に対しては、可能な限り経会陰式手術であるDelorme法にて行うようにしている。これは、腸を切断することなく短縮することができ、体外には傷がないため、痛みも少なく大きな合併症を起こしにくいのが利点である。
 これらの手術を動画で供覧し、検討を加え当院におけるday surgeryの現状を報告する。