Presentation Information
[R11-6]下部消化管穿孔性腹膜炎に対する開腹ハルトマン手術後のハルトマンリバーサル手術の検討
上嶋 徳1, 大塚 幸喜2, 隈本 力1, 松本 航一1, 川瀬 貴久1, 近石 裕子1, 辻村 和紀1, 谷口 寛子1, 小林 陽介1, 稲熊 岳1, 大村 悠介1, 廣 純一郎1, 升森 宏次1 (1.藤田医科大学医学部総合消化器外科, 2.藤田医科大学先端ロボット・内視鏡手術学)
【背景】下部消化管穿孔性腹膜炎に対する開腹ハルトマン手術後の腹腔鏡下ハルトマンリバーサル手術は, 手術関連合併症が43.8%~47.3%と高率であると報告されている。腹腔内臓器への癒着や腹膜炎の影響で肥厚した直腸との吻合、脾彎曲部授動を要することもあり, その難易度は高い.
【対象・方法】2013年5月から2025年4月までの期間に、ハルトマンリバーサル手術を施行した43例を対象とし,手術の難易度,術中偶発症,術後合併症等に影響を来たしたリスク因子(患者背景,既往,穿孔部位,手術時間,出血量,執刀者,穿孔原因等)を後方視的に検討した。
【結果】患者背景は男性29人,女性14人.他の因子は中央値で, 年齢67.7歳,BMI 20.93. 初回手術からハルトマンリバーサル手術までの期間314日.手術時間249分.出血量136ml.平均在院日数は24.8日であった.開腹手術例は20例,腹腔鏡手術例は23例で内4例が開腹移行となった.開腹手術群と腹腔鏡手術群では手術時間,出血量,術後合併症,在院日数に有意差を認めなかった.術者因子において,消化器外科学会専門医資格の有無で比較すると,資格有り群で有意に手術時間が短く(P=0.039),腹腔鏡手術の開腹移行例は資格無し群が15.3%であったのに対して資格有り群は0%であった.穿孔の原因として結腸直腸癌による穿孔群10例と憩室穿孔、結腸捻転などの非悪性腫瘍による穿孔群33例の比較では非悪性腫瘍群が手術時間が長時間である傾向にあった(P=0.018)
【結語】高難度とされるハルトマンリバーサル手術であるが当科において,腹腔鏡下手術群は開腹手術群と比較し同等の成績であった.術前・術中因子の解析から,手術に影響をきたす因子を推測した.更に安全な手術を施行する上で当科において行っている術前検査および術中手技の工夫等を含め報告する.
【対象・方法】2013年5月から2025年4月までの期間に、ハルトマンリバーサル手術を施行した43例を対象とし,手術の難易度,術中偶発症,術後合併症等に影響を来たしたリスク因子(患者背景,既往,穿孔部位,手術時間,出血量,執刀者,穿孔原因等)を後方視的に検討した。
【結果】患者背景は男性29人,女性14人.他の因子は中央値で, 年齢67.7歳,BMI 20.93. 初回手術からハルトマンリバーサル手術までの期間314日.手術時間249分.出血量136ml.平均在院日数は24.8日であった.開腹手術例は20例,腹腔鏡手術例は23例で内4例が開腹移行となった.開腹手術群と腹腔鏡手術群では手術時間,出血量,術後合併症,在院日数に有意差を認めなかった.術者因子において,消化器外科学会専門医資格の有無で比較すると,資格有り群で有意に手術時間が短く(P=0.039),腹腔鏡手術の開腹移行例は資格無し群が15.3%であったのに対して資格有り群は0%であった.穿孔の原因として結腸直腸癌による穿孔群10例と憩室穿孔、結腸捻転などの非悪性腫瘍による穿孔群33例の比較では非悪性腫瘍群が手術時間が長時間である傾向にあった(P=0.018)
【結語】高難度とされるハルトマンリバーサル手術であるが当科において,腹腔鏡下手術群は開腹手術群と比較し同等の成績であった.術前・術中因子の解析から,手術に影響をきたす因子を推測した.更に安全な手術を施行する上で当科において行っている術前検査および術中手技の工夫等を含め報告する.