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[R17-3]ロボット支援手術による技術認定取得の指導法

陳 開, 河村 七彩, 白水 翔, 茂木 はるか, 栗原 由騎, 佐々木 勇人, 新保 知規, 菊地 功, 若林 俊樹, 佐藤 勤 (市立秋田総合病院消化器外科)
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【緒言】ロボット支援大腸がん手術は、モダリティの違いから従来の腹腔鏡とは異なった指導が重要となる。
【目的】当院における技術認定取得のためのロボット支援大腸がん手術の指導法をお示しする。
【方法】当院の指導方法について提示し、ロボット支援S状結腸がんまたはロボット支援高位前方切除術のビデオを供覧頂く。
【指導法】ロボット手術の指導を3段階に分けている。『①修練医が泡を切れる。②修練医が場を展開できる。③修練医が通しで執刀する。』の3段階である。第①段階は指導医が泡の層を出し、修練医が泡を適切に切れるかを評価することで、ロボットの基本手技が身についているかを確認する。あらかじめシミュレーターなどで練習していれば、基本的にどの修練医も問題なくでき、すぐに次の段階に進めることができる。第②段階は指導医が展開の仕方を見せ、同じように展開ができるまで繰り返す。ロボット手術はソロサージャリーの場面が多いため、展開ができれば、泡を切るだけとなり、第②段階ができるようになれば、自然と第③段階の通しで執刀ができるようになる。第②段階の場を展開する手技にできるだけ時間をかけ、場の展開ができるようになるまで指導する。第③段階では修練医に通しで執刀してもらい、指導医は見守る。展開、手技や干渉の問題があれば、指導を加える。
さらに、早期習得および技術認定取得のために、『定型化』した手技・手術で繰り返し修練することは必須であると考える。
【結果】2023年12月に若手医師(卒後9年目)がCertificateを取得し、上記のように指導した。7例で単独完全執刀した(高位前方切除に限ると4例目)。18例目の症例で技術認定を通過した。術中有害事象やClavien-Dindo分類 grade III 以上の術後合併症は吻合部出血(Clavien-dindo Grade IIIa)のみだった。
【結語】ロボット手術の場合ソロサージャリーの場面が多く、展開や干渉などロボット特有の注意すべき点に留意して指導することが肝要である。