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[R18-6]腹腔鏡下大腸がん手術の効果的な教育方法

増田 大機, 青柳 康子, 新井 聡大, 大和 美寿々, 西山 優, 三浦 竣助, 今井 光, 鈴木 碧, 朝田 泰地, 鵜梶 真衣, 金田 亮, 山口 和哉, 吉野 潤, 長野 裕人, 井ノ口 幹人 (武蔵野赤十字病院外科・消化器外科)
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ロボット手術の普及により腹腔鏡手術は減少しており、腹腔鏡下大腸がん手術も今後減っていくことが予想される。当院は2019年にロボット大腸手術を導入し、ロボット大腸手術件数は年々増加している一方で、腹腔鏡下大腸がん手術件数は大幅に減少している。腹腔鏡下大腸がん手術の修練機会は貴重であり、若手外科医は数少ない腹腔鏡下大腸がん手術を効率よく学ぶ必要がある。【目的】効率的な腹腔鏡下大腸がん手術修練法を検討する。【方法】2021年4月から2025年3月まで当院の修練医が執刀した腹腔鏡下大腸がん手術症例126例を対象とし、2021年4月から2023年3月までを前期(82例、修練医5名)と、2023年4月から2025年3月までの後期44例、修練医5名)に分け、2群間を比較した。【結果】1人あたりの執刀数は前期16.4例/後期8.8例、手術時間は前期303分/後期228分、出血量は前期15ml/後期5ml、Clavian-Dindo分類 grade II以上の合併症は前期19%/後期14%、術後在院日数(中央値)は前期7日/後期7日であった。また同時期に修練医が経験した手術として、腹腔鏡下ヘルニア手術執刀数は1人あたり前期6.2例/後期10.5例、腹腔鏡手術のscopist経験は1人あたり前期11.8例/後期5.4例、ロボット大腸手術の第一助手経験は1人あたり前期4.0例/後期17.4例であった。【結語】ロボット手術の増加に伴い腹腔鏡下大腸がん手術は減り、修練医の執刀数は減ったが手術時間は短縮した。術後合併症や在院日数に差はなく、手術の質を担保・向上させつつ手術教育も安全に施行されていた。ロボット手術の助手として手術参加することで大腸がん手術の本質の理解、知識の引き出しを増やすことは十分可能であり、術者として必要な左手の技術や小さいトラブルシューティングなどは、腹腔鏡下ヘルニア手術などの良性手術を通じて学ぶことができる。当科の取り組みを紹介する。