Presentation Information
[R19-5]当科におけるstage IV直腸癌oligometastasis症例の手術成績と予後の検討
舘川 裕一, 野澤 宏彰, 佐々木 和人, 室野 浩司, 江本 成伸, 横山 雄一郎, 永井 雄三, 原田 有三, 品川 貴秀, 岡田 聡, 白鳥 広志, 石原 聡一郎 (東京大学腫瘍外科)
【目的】Stage IV直腸癌(Ra, Rb)の5年生存率(OS)は27.8%であるが、CurBとCurCでは49.3%, 18.9%と開きがある(大腸癌研究会全国登録, 2008-2013年症例)。また、少数転移(oligometastasis)は、広範囲に転移している状態とは癌のbehaviorが異なる可能性が指摘されている。当科におけるstage IV直腸癌のoligometastasisと予後との関連を検証した。
【方法】2015年1月〜2025年3月に直腸切除術を行った、遠隔転移のある進行直腸癌(Ra, Rb) 63例を対象とした。欧州臨床腫瘍学会のガイドラインに基づいて、診断時転移個数5個以内をoligo群、6個以上をno oligo群に分類した。無再発生存(RFS)、OSをKaplan-Meier曲線、log-rank検定で検討した。
【結果】年齢中央値は 64歳、男41例、女22例であった。転移個数の中央値は3個(範囲:1-30)であり、oligo群36例、no oligo群27例であった。術前薬物療法はoligo群15例(42%)、no oligo群20例(74%)で行われた(p=0.01)。症例全体の5年RFSは24%、5年OSは46%であった。CurBが48例、CurCが15例であり、5年OSはCurB群62%, CurC群0% (p<0.001)であった。oligo群のCurB達成は31例(86%)、no oligo群のCurB達成は17例(63%)(p=0.03)であった。CurB症例の5年RFSはoligo群36%, no oligo群7% (p<0.001)であったが、5年OSはoligo群64%, no oligo群62% (p=0.79)であった。症例全体の5年OSはoligo群56%, no oligo群42% (p=0.53)であった。
【結論】遠隔転移を伴う進行直腸癌において、oligometastasisであることはCurB達成率が高くなり、良好なRFSに関連したが、OSとは無関係であった。
【方法】2015年1月〜2025年3月に直腸切除術を行った、遠隔転移のある進行直腸癌(Ra, Rb) 63例を対象とした。欧州臨床腫瘍学会のガイドラインに基づいて、診断時転移個数5個以内をoligo群、6個以上をno oligo群に分類した。無再発生存(RFS)、OSをKaplan-Meier曲線、log-rank検定で検討した。
【結果】年齢中央値は 64歳、男41例、女22例であった。転移個数の中央値は3個(範囲:1-30)であり、oligo群36例、no oligo群27例であった。術前薬物療法はoligo群15例(42%)、no oligo群20例(74%)で行われた(p=0.01)。症例全体の5年RFSは24%、5年OSは46%であった。CurBが48例、CurCが15例であり、5年OSはCurB群62%, CurC群0% (p<0.001)であった。oligo群のCurB達成は31例(86%)、no oligo群のCurB達成は17例(63%)(p=0.03)であった。CurB症例の5年RFSはoligo群36%, no oligo群7% (p<0.001)であったが、5年OSはoligo群64%, no oligo群62% (p=0.79)であった。症例全体の5年OSはoligo群56%, no oligo群42% (p=0.53)であった。
【結論】遠隔転移を伴う進行直腸癌において、oligometastasisであることはCurB達成率が高くなり、良好なRFSに関連したが、OSとは無関係であった。