Presentation Information
[R19-6]当院におけるBECON治療を行った大腸癌患者の検討
佐藤 幸平, 山崎 俊幸, 岩谷 昭, 亀山 仁史, 窪田 晃, 延廣 征典 (新潟市民病院消化器外科)
【はじめに】
大腸癌においてBRAFV600E変異は明確な予後不良因子とされており、特に一次治療後に病勢が進行した場合の全生存期間(OS)は著しく短いことが報告されている。最新の大腸癌治療ガイドラインでは、切除不能かつ進行期のBRAFV600E変異陽性大腸癌に対して、BRAF阻害薬を含む治療(BECONレジメンなど)の使用が強く推奨されている。当院でもEncorafenibとCetuximabを中心としたBECONレジメンを積極的に導入しており、治療成績について報告する。
【方法】
2020年4月から2025年4月までに当院でBRAFV600E変異陽性と診断され、MSI-Hを除外した11人の大腸癌患者を対象に、Encorafenibを含むBECONレジメンの治療成績を検討した。
【結果】
患者背景は男性6人(54%)、女性5人(46%)、年齢中央値は68歳(範囲:41〜78歳)であった。原発巣の部位は、結腸(A)6人、横行結腸(T)2人、直腸(R)3人であった。手術を受けた患者は9人で、そのうち5人がR0切除であった。標的病変は原発巣、肝臓、肺、腹膜に及んでいた。
治療内容としては、BECON3が2人、BECON2が9人であり、治療導入は2次治療として10人、3次治療として1人であった。一次治療期間の中央値は25週(13~108週)、BECON治療期間の中央値は29週(9週〜48週、1例は加療中)であった。
生存期間中央値は、R0手術群で43か月(26〜66か月、うち1人は存命中)、R1/2手術群で28か月(11〜50か月)、非切除群で14.5か月(14〜15か月)であった。
【まとめ】
従来、BRAFV600E変異陽性大腸癌の生存期間中央値は約12か月程度とされてきたが、本研究においては、BECONレジメンの導入により、特にR0切除が可能であった症例で生存期間の延長が認められた。また、R1/2切除例や非切除例においても、適切な薬物療法の導入により一定の生存期間が確保されており、予後改善の可能性が示唆された。今後は、可能な限り初回でのR0切除を目指すとともに、BEACONレジメンの適切なタイミングでの導入が、BRAFV600E変異陽性大腸癌における治療戦略の要となると考えられる。
大腸癌においてBRAFV600E変異は明確な予後不良因子とされており、特に一次治療後に病勢が進行した場合の全生存期間(OS)は著しく短いことが報告されている。最新の大腸癌治療ガイドラインでは、切除不能かつ進行期のBRAFV600E変異陽性大腸癌に対して、BRAF阻害薬を含む治療(BECONレジメンなど)の使用が強く推奨されている。当院でもEncorafenibとCetuximabを中心としたBECONレジメンを積極的に導入しており、治療成績について報告する。
【方法】
2020年4月から2025年4月までに当院でBRAFV600E変異陽性と診断され、MSI-Hを除外した11人の大腸癌患者を対象に、Encorafenibを含むBECONレジメンの治療成績を検討した。
【結果】
患者背景は男性6人(54%)、女性5人(46%)、年齢中央値は68歳(範囲:41〜78歳)であった。原発巣の部位は、結腸(A)6人、横行結腸(T)2人、直腸(R)3人であった。手術を受けた患者は9人で、そのうち5人がR0切除であった。標的病変は原発巣、肝臓、肺、腹膜に及んでいた。
治療内容としては、BECON3が2人、BECON2が9人であり、治療導入は2次治療として10人、3次治療として1人であった。一次治療期間の中央値は25週(13~108週)、BECON治療期間の中央値は29週(9週〜48週、1例は加療中)であった。
生存期間中央値は、R0手術群で43か月(26〜66か月、うち1人は存命中)、R1/2手術群で28か月(11〜50か月)、非切除群で14.5か月(14〜15か月)であった。
【まとめ】
従来、BRAFV600E変異陽性大腸癌の生存期間中央値は約12か月程度とされてきたが、本研究においては、BECONレジメンの導入により、特にR0切除が可能であった症例で生存期間の延長が認められた。また、R1/2切除例や非切除例においても、適切な薬物療法の導入により一定の生存期間が確保されており、予後改善の可能性が示唆された。今後は、可能な限り初回でのR0切除を目指すとともに、BEACONレジメンの適切なタイミングでの導入が、BRAFV600E変異陽性大腸癌における治療戦略の要となると考えられる。