Presentation Information
[R24-5]ロボット支援下右側結腸癌手術における体腔内Overlap吻合の手技と短期治療成績
馮 東萍, 近藤 彰宏, 竹谷 洋, 松川 浩之, 西浦 文平, 安藤 恭久, 須藤 広誠, 岸野 貴賢, 大島 稔, 岡野 圭一 (香川大学消化器外科)
【背景】
結腸癌に対する体腔内吻合は腸管蠕動の早期回復や創感染割合の低下、術後在院日数短縮などの有用性が報告されている。しかし、腸管内容の漏出による体腔内汚染や腹膜播種に対する懸念も残る。当科では結腸癌に対するロボット支援下手術(RALS)の開始と同時に体腔内Overlap吻合を導入した。本発表では当科におけるロボット支援下右側結腸癌手術における体腔内吻合の手技を供覧し、短期治療成績について後方視的に検討する。
【対象】
2022年6月から2024年12月までに右側結腸癌に対してロボット支援下手術を施行した31例の内、体腔内吻合を行なった27例。
【手術手技】
前処置は機械的前処置に加え、化学的前処置を行っている。下腹部にPfannenstiel切開をおき標本摘出に用いる。体腔内で腸管膜処理を行い腸管を切離した後、ICG蛍光造影法による腸管血流評価を行う。Overlap吻合を行い、共通孔はBarbed Sutureによる連続縫合で閉鎖する。吻合後は温生食2000ml以上で腹腔内洗浄を行う。
【結果】
年齢:76歳(46-91歳)、性別(男性/女性):15/12例、BMI:23.6(15.3-30.8)、腫瘍占拠部位(C/A/T):10/13/4例、cStageI/II/III/IV:13/1/13/0例であった。施行術式は回盲部切除術/結腸右半切除術/横行結腸切除術:14/12/1例であった。手術時間:329分(213-424分)、コンソール時間:265分(103-329分)、再建に要した時間:36分(25-55分)、出血量:0ml(0-127ml)であった。Distal marginの距離は140cm(100-230cm)であった。縫合不全やClavien-Dindo分類Grade3以上の術後合併症は認めず、術後在院日数は10日(8-56日)であった。
また、体腔内吻合を試みたが、自動縫合器が腸管の粘膜下層に迷入し、体腔外吻合に変更した症例を1例認めた。
【結語】
ロボット支援下右側結腸癌手術における体腔内吻合は安全に施行可能である。症例を集積し長期成績の検討が必要である。
結腸癌に対する体腔内吻合は腸管蠕動の早期回復や創感染割合の低下、術後在院日数短縮などの有用性が報告されている。しかし、腸管内容の漏出による体腔内汚染や腹膜播種に対する懸念も残る。当科では結腸癌に対するロボット支援下手術(RALS)の開始と同時に体腔内Overlap吻合を導入した。本発表では当科におけるロボット支援下右側結腸癌手術における体腔内吻合の手技を供覧し、短期治療成績について後方視的に検討する。
【対象】
2022年6月から2024年12月までに右側結腸癌に対してロボット支援下手術を施行した31例の内、体腔内吻合を行なった27例。
【手術手技】
前処置は機械的前処置に加え、化学的前処置を行っている。下腹部にPfannenstiel切開をおき標本摘出に用いる。体腔内で腸管膜処理を行い腸管を切離した後、ICG蛍光造影法による腸管血流評価を行う。Overlap吻合を行い、共通孔はBarbed Sutureによる連続縫合で閉鎖する。吻合後は温生食2000ml以上で腹腔内洗浄を行う。
【結果】
年齢:76歳(46-91歳)、性別(男性/女性):15/12例、BMI:23.6(15.3-30.8)、腫瘍占拠部位(C/A/T):10/13/4例、cStageI/II/III/IV:13/1/13/0例であった。施行術式は回盲部切除術/結腸右半切除術/横行結腸切除術:14/12/1例であった。手術時間:329分(213-424分)、コンソール時間:265分(103-329分)、再建に要した時間:36分(25-55分)、出血量:0ml(0-127ml)であった。Distal marginの距離は140cm(100-230cm)であった。縫合不全やClavien-Dindo分類Grade3以上の術後合併症は認めず、術後在院日数は10日(8-56日)であった。
また、体腔内吻合を試みたが、自動縫合器が腸管の粘膜下層に迷入し、体腔外吻合に変更した症例を1例認めた。
【結語】
ロボット支援下右側結腸癌手術における体腔内吻合は安全に施行可能である。症例を集積し長期成績の検討が必要である。