Presentation Information
[R25-4]Da Vinci XiおよびSPを用いたロボット支援大腸切除術の短期成績の比較とSPによる経ストーマ孔アプローチの試み
田藏 昂平, 塚本 俊輔, 加藤 岳晴, 永田 洋士, 髙見澤 康之, 森谷 弘乃介, 金光 幸秀 (国立がん研究センター中央病院大腸外科)
【背景】ロボット支援大腸切除術は広く普及しており、新機種の導入も進んでいる。当院では2024年4月にDa Vinci SP(SP)を導入した。SPによる手術は切開創が小さく侵襲が少ないとされているが、臨床的意義は明らかでない。
【目的】当院におけるロボット支援直腸/結腸切除術の短期成績をDavinci Xi(Xi)とSPで比較し、経ストーマ孔手術を供覧する。
【方法】2024年1月から2025年3月に当院で施行したcStage I–IIIの原発性直腸癌(Xi90例、SP30例)、結腸癌(Xi29例、SP24例)を対象とし、傾向スコアマッチングにより直腸24ペア、結腸14ペアを解析した。また、経ストーマ孔アプローチ6例の手技の概要および短期成績を検討した。
【結果】直腸癌の手術時間はXi群278分、SP群208分、出血量はXi群20mL、SP群14mL、術後在院日数はXi群11日、SP群11日であり、いずれも有意差を認めなかった(p=0.112, 0.227, 0.835)。Clavien-Dindo II以上の合併症はXi群7例(29.2%)、SP群5例(20.8%)であった(p=0.505)。結腸癌の手術時間はXi群162分、SP群194分であった(p=0.056)。出血量はXi群3mL、SP群17mLで、SP群で有意に多かった(p=0.008)。なお、体腔内吻合はXi群8例(57.1%)、SP群では0例であった。術後在院日数は両群7日であった(p=0.667)。Clavien-Dindo II以上の合併症はXi群1例(7.1%)、SP群0例(0.0%)であった(p=0.309)。経ストーマ孔アプローチの術式はISR 2例、APR 4例であった。手術時間は301分、出血量は53mLであった。いずれもストーマ造設予定部のアクセスポートキットと助手用ポート1本のみで手術を完遂した。術後合併症は1例も認めなかった。
【結語】SPの導入時短期成績はXiと同等であった。SPはコストが高いという課題があるが、経ストーマ孔手術等のアプローチを工夫することで効果を発揮できる可能性が示唆された。
【目的】当院におけるロボット支援直腸/結腸切除術の短期成績をDavinci Xi(Xi)とSPで比較し、経ストーマ孔手術を供覧する。
【方法】2024年1月から2025年3月に当院で施行したcStage I–IIIの原発性直腸癌(Xi90例、SP30例)、結腸癌(Xi29例、SP24例)を対象とし、傾向スコアマッチングにより直腸24ペア、結腸14ペアを解析した。また、経ストーマ孔アプローチ6例の手技の概要および短期成績を検討した。
【結果】直腸癌の手術時間はXi群278分、SP群208分、出血量はXi群20mL、SP群14mL、術後在院日数はXi群11日、SP群11日であり、いずれも有意差を認めなかった(p=0.112, 0.227, 0.835)。Clavien-Dindo II以上の合併症はXi群7例(29.2%)、SP群5例(20.8%)であった(p=0.505)。結腸癌の手術時間はXi群162分、SP群194分であった(p=0.056)。出血量はXi群3mL、SP群17mLで、SP群で有意に多かった(p=0.008)。なお、体腔内吻合はXi群8例(57.1%)、SP群では0例であった。術後在院日数は両群7日であった(p=0.667)。Clavien-Dindo II以上の合併症はXi群1例(7.1%)、SP群0例(0.0%)であった(p=0.309)。経ストーマ孔アプローチの術式はISR 2例、APR 4例であった。手術時間は301分、出血量は53mLであった。いずれもストーマ造設予定部のアクセスポートキットと助手用ポート1本のみで手術を完遂した。術後合併症は1例も認めなかった。
【結語】SPの導入時短期成績はXiと同等であった。SPはコストが高いという課題があるが、経ストーマ孔手術等のアプローチを工夫することで効果を発揮できる可能性が示唆された。