Presentation Information
[R26-1]AIによる神経・剥離可能層同定とICG蛍光ガーゼを用いた最新のナビゲーション手術
渡邊 良平1, 青木 武士1, 田代 良彦1, 井関 貞仁1, 長石 将大1, 冨岡 幸大1, 北島 徹也1, 野垣 航二1, 山下 剛史1, 有吉 朋丈1, 伊達 博三1, 松田 和広1, 草野 智一1, 藤森 聰1, 五藤 哲1, 山崎 公靖1, 渡辺 誠1, 山上 裕機1, 安永 秀計2, 安藤 慎治3 (1.昭和医科大学医学部外科学講座消化器一般外科学部門, 2.京都工芸繊維大学繊維学系, 3.東京科学大学物質理工学院応用化学系)
緒言:大腸癌手術におけるインドシアニングリーン(ICG)を用いたリンパ流同定、吻合部血流におけるナビゲーション手術は、広く認知されつつある。リンパ流同定において実際の手術では、同定されない症例や剥離操作による周囲への漏出で正確な剥離層がわかりづらくなってしまうことを経験する。
人工知能(Artificial intelligence:AI)による剥離可能層と神経の同定により、過不足のないリンパ節郭清ラインの同定とICG蛍光ガーゼを用いた蛍光ガイドによる安全で正確なナビゲーション手術について報告する。
方法:手術支援AIを用いることで手術ビデオを予習し、リンパ節郭清に重要である、下腹神経とその分枝を同定、その上に広がる剥離可能層の同定を学習する。
ICG蛍光ガーゼ(Yoshihiko Tashiro: Langenbecks Arch Surg. 2025)は、昭和医科大学(田代良彦)、東京科学大学、京都工芸繊維大学の三大学の医工連携で開発されたICGで染色した蛍光発光性の手術用ガーゼを使用した。
結果:医学生90人を対象とした検討では、手術支援AIを用いて学習することで、尿管42.3%、下腹神経とその分枝8.6本、剥離可能層54.6%であった同定率が、尿管53.6%、下腹神経とその分枝15.4本、剥離可能層66.1%と有意に改善した(P<0.001)。
マイルズ手術時において、経肛門操作の剥離先進部にICG蛍光ガーゼを留置する事で、腹腔内からガーゼ蛍光をガイドに交通させることが可能であった。また、内側アプローチ後の内側-外側交通時においては、ICG蛍光ガーゼを使用することで、より安全に内側アプローチを完結することが可能であった。さらに、ガーゼの紛失を想定して小腸間膜内や吻合部背側にガーゼを留置したところ、蛍光により容易に同定できたことから、ガーゼ遺残の防止に効果的と考えられる。
結語:手術支援AIによる神経・剥離可能層同定とICG蛍光ガーゼを用いることでより安全なナビゲーション手術が可能と考えられる。
人工知能(Artificial intelligence:AI)による剥離可能層と神経の同定により、過不足のないリンパ節郭清ラインの同定とICG蛍光ガーゼを用いた蛍光ガイドによる安全で正確なナビゲーション手術について報告する。
方法:手術支援AIを用いることで手術ビデオを予習し、リンパ節郭清に重要である、下腹神経とその分枝を同定、その上に広がる剥離可能層の同定を学習する。
ICG蛍光ガーゼ(Yoshihiko Tashiro: Langenbecks Arch Surg. 2025)は、昭和医科大学(田代良彦)、東京科学大学、京都工芸繊維大学の三大学の医工連携で開発されたICGで染色した蛍光発光性の手術用ガーゼを使用した。
結果:医学生90人を対象とした検討では、手術支援AIを用いて学習することで、尿管42.3%、下腹神経とその分枝8.6本、剥離可能層54.6%であった同定率が、尿管53.6%、下腹神経とその分枝15.4本、剥離可能層66.1%と有意に改善した(P<0.001)。
マイルズ手術時において、経肛門操作の剥離先進部にICG蛍光ガーゼを留置する事で、腹腔内からガーゼ蛍光をガイドに交通させることが可能であった。また、内側アプローチ後の内側-外側交通時においては、ICG蛍光ガーゼを使用することで、より安全に内側アプローチを完結することが可能であった。さらに、ガーゼの紛失を想定して小腸間膜内や吻合部背側にガーゼを留置したところ、蛍光により容易に同定できたことから、ガーゼ遺残の防止に効果的と考えられる。
結語:手術支援AIによる神経・剥離可能層同定とICG蛍光ガーゼを用いることでより安全なナビゲーション手術が可能と考えられる。