Presentation Information
[R26-6]技術認定取得にむけたロボット支援S状結腸切除の術野展開の工夫
横田 満, 松岡 弘也, Yamaguchi Kenji, 武藤 純, 長久 吉雄, 稲村 幸雄, 河田 健二, 岡部 道雄, 増井 俊彦 (公益財団法人大原記念倉敷中央医療機構倉敷中央病院外科)
【はじめに】ロボット支援手術は腹腔鏡手術に比べ直感的に精緻な操作が可能で合格率の上昇が期待されたが、実際は腹腔鏡手術と同等であった。その理由の1つとして、ロボット支援手術はソロサージェリーの側面が強く、術野展開が難しいことがあげられる。術野展開の配点は大きく、合否を左右しうる。Tip-up(TU)鉗子と助手の1本の鉗子で行うため、助手鉗子がロボットアームやロボット鉗子により干渉や動作制限を受けずに操作できる必要がある。よって、助手ポート(AP)の位置、TU鉗子の使い方は術野展開で重要となる。S状結腸切除における手術手技を提示し、特に術野展開について述べる。
【手術手技】ポートは左上腹部から右下腹部に斜め一直線に1番から4番ポートを配列、2番ポートは臍部を小開腹し置く。APは1番と2番ポートの間に置く。この位置にAPをおくことで操作部位に1番鉗子と平行に到達でき、干渉を回避し助手鉗子の操作性が高くなる。4番ポートは直腸手術時よりも高位外側にすると腸管切離時にステープルの進入角度が腸管に対し直交しやすくなる。
内側アプローチ開始時のマタドール展開はTU鉗子の先端を大動脈と平行にしS状結腸腸間膜の脂肪までしっかり把持すると十分な牽引ができる。さらに助手鉗子でIMAを腹側に牽引すると底辺の長い台形状の間膜展開が可能となる。IMA根部切離前にIMV背側で腎筋膜に沿った剥離層を形成しておくと253リンパ節郭清のゴールを示す展開となりIMA周囲で立ち上がる神経で剥離層が消失しても行き先を失いにくい術野となる。肛門側の腸間膜切離時は、TU鉗子で切離線より肛門側の間膜を把持し腹側に牽引、さらに助手鉗子で切離線より口側の間膜を腹側に牽引することで広いマタドール状の間膜展開となる。腸管に対し直交するように間膜切離を行い、適宜術者の左手で切離する間膜を手前に牽引すると後腹膜側の神経や尿管などと距離ができ損傷を回避できる。ステープリング時はTU鉗子を3番に入れ替え4番ポートから行うと切離部位に対しまっすぐ進入する角度となる。
【まとめ】助手鉗子を有効に活用した良好な術野展開とロボットの直感的で高い操作性をあわせることで合格率の向上が可能と考える。
【手術手技】ポートは左上腹部から右下腹部に斜め一直線に1番から4番ポートを配列、2番ポートは臍部を小開腹し置く。APは1番と2番ポートの間に置く。この位置にAPをおくことで操作部位に1番鉗子と平行に到達でき、干渉を回避し助手鉗子の操作性が高くなる。4番ポートは直腸手術時よりも高位外側にすると腸管切離時にステープルの進入角度が腸管に対し直交しやすくなる。
内側アプローチ開始時のマタドール展開はTU鉗子の先端を大動脈と平行にしS状結腸腸間膜の脂肪までしっかり把持すると十分な牽引ができる。さらに助手鉗子でIMAを腹側に牽引すると底辺の長い台形状の間膜展開が可能となる。IMA根部切離前にIMV背側で腎筋膜に沿った剥離層を形成しておくと253リンパ節郭清のゴールを示す展開となりIMA周囲で立ち上がる神経で剥離層が消失しても行き先を失いにくい術野となる。肛門側の腸間膜切離時は、TU鉗子で切離線より肛門側の間膜を把持し腹側に牽引、さらに助手鉗子で切離線より口側の間膜を腹側に牽引することで広いマタドール状の間膜展開となる。腸管に対し直交するように間膜切離を行い、適宜術者の左手で切離する間膜を手前に牽引すると後腹膜側の神経や尿管などと距離ができ損傷を回避できる。ステープリング時はTU鉗子を3番に入れ替え4番ポートから行うと切離部位に対しまっすぐ進入する角度となる。
【まとめ】助手鉗子を有効に活用した良好な術野展開とロボットの直感的で高い操作性をあわせることで合格率の向上が可能と考える。