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[R4-6]Laparoscopic Ventral Rectopexy 術後の骨盤底の変化-経会陰超音波による検討

加藤 健宏, 高橋 知子, 草薙 洋, 宮崎 彰成, 本城 弘貴, 青木 沙弥佳 (亀田総合病院)
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【背景】
経会陰超音波検査(transperineal ultrasound: TPUS)は、骨盤臓器脱および腹圧性尿失禁 (stress urinary incontinence: SUI) でその有用性が報告されているが、直腸脱症例を対象とした報告は認めない。本研究では、直腸脱および重積症に対しlaparoscopic ventral rectopexy (LVR)を施行した症例を対象とし、術前、術後のTPUS所見を検討した。
【目的】LVRによる骨盤底変化を、TPUSで評価し報告する。
【対象と方法】
2015年4月から2018年12月にLVRを施行し、術前および術後6か月にTPUSを行った症例を対象とし、TPUSで膀胱頸部-恥骨間距離(bladder-symphysis distance: BSD)、後部膀胱尿道角(retro-vesical angle: RVA)を、安静時、努責時、およびその変化量を検討した。LVRはD’Hooreらの報告に準じて、メッシュを直腸前壁および後腟壁に固定した。
【結果】
対象症例は63例で、中央値年齢78歳、BMI 22.1kg/m2、術前SUIは73.0%の症例に認めた。安静時BSDは、術前と比較してLVR術後有意に減少し(術前 19.3±4.4 mm → 術後 18.4±4.5 mm, p=0.049)、BSDの変化量(努責時と安静時の差)も術後有意に減少した(11.4±6.5 mm → 9.2±4.5 mm, p=0.031)。RVAは術後有意な変化を認めなかった。
【結論】
腟後壁固定を併施したLVRにより、わずかではあるが安静時BSDおよびBSD変化量が有意に低下することが示された。BSD変化量の増大が SUI のリスク因子とされていることから、本術式は SUI の改善に寄与する可能性が示唆された。