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[R5-5]閉塞性大腸癌に対するBridge to Surgery(BTS)の長期成績と再発様式の検討

久戸瀬 洋三, 河本 知樹, 廣部 雅臣, 真鍋 裕宇, 福田 雄介, 大竹 弘泰, 實近 侑亮, 加藤 弘記, 細田 洋平, 金 浩敏, 土屋 康紀, 西 敏夫, 小川 淳宏, 森 琢児, 丹羽 英記, 小川 稔 (多根総合病院外科)
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【背景】閉塞性大腸癌に対する自己拡張型金属ステント(SEMS)留置後の待機手術(Bridge to Surgery:BTS)は、周術期リスク軽減および治療成績向上を目的に広く普及している。しかし、本邦における長期成績、とりわけ再発パターンに関する報告は依然として限られている。【目的】当院における閉塞性大腸癌患者に対するBTSの治療成績を検討する。【方法】2014年1月〜2022年4月にBTSを施行した閉塞性大腸癌患者85例を対象とした。3年無再発生存率(RFS)および3年全生存率(OS)を算出し、病期別に比較検討し、再発パターンについても比較検討した。【結果】観察期間中央値は36.6ヶ月であった。年齢中央値は72歳、男性50例(58.8%)、女性35例(41.2%)であった。腫瘍占居部位は右側結腸22例(25.9%)、左側結腸63例(74.1%)であった。全体の3年RFSは86.5%、3年OSは73.4%であった。Stage Ⅱでの3年RFS/OSは85.5%/76.2%、Stage Ⅲでは83.2%/66.5%であった。再発は31/85例(36.5%)に認められ、Stage Ⅱでは10/40例(25%)、Stage Ⅲでは24/45例(53%)であった。そのうち重複を含めて肝転移11例(13%)、肺転移11例(13%)、腹膜播種17例(20%)が確認され、腹膜播種が最も多かった。【結語】閉塞性大腸癌に対するBTSの長期成績は概ね良好であり、根治的切除後の予後も一定の成果を示した一方で、再発症例では腹膜播種の頻度が高く、腹膜播種の制御を考慮した術後補助療法や集学的治療の導入が求められる。