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[SY1-4]Prognostic utility of serial PET-CT in patients with locally advanced rectal cancer who underwent total neoadjuvant therapy
Mikio Kawamura1, 家城 英治1, 嶌村 麻生1, 山下 真司1, 今岡 裕基1, 志村 匡信1, 北嶋 貴仁2, 奥川 喜永2, 大北 喜基1, 吉山 繁幸1, 小林 美奈子3, 大井 正貴1, 問山 裕二1 (1.Department of Gastrointestinal and Pediatric Surgery, Mie University, 2.三重大学ゲノム医療部, 3.三重大学先端的外科技術開発学)
【背景】近年,欧米では下部進行直腸癌に対する術前治療としてtotal neoadjuvant therapy(TNT)が標準治療となりつつあり,有意な予後改善効果が報告されている.しかし強力な術前治療であるTNTを施行してもなお予後不良な症例が存在し,予後因子の同定が急務である,当科ではTNT前後に治療効果判定としてPET-CTをMRI,内視鏡と同様に施行している.PET-CTは実臨床では転移診断のために用いられる場合が多いがPET-CTとTNT後の直腸癌との関連は十分に検討されておらず,各種画像所見と予後との関連を含め検討し報告する.【対象と方法】2018年から2024年6月までのTNT症例のうちTNT後の判定を終了しかつ治療前後で内視鏡,MRI,PET-CTでの評価を行った計42症例を対象とした.EMVI, MRF involvementなどの画像所見とともに,PET-CTにおけるSUV-max値を計測し予後予測の可能性を検討した.【結果】治療前後の腫瘍のSUV-maxのRecurrence free survival(RFS)に対するcut-off値をROC解析により算出しそれぞれ12.4(AUC:0.58, 感度:0.41, 特異度:1.0),7.3(AUC:0.67, 感度:0.83, 特異度:0.67)とした.SUV-max値は治療前後ともにその他の臨床病理学的因子と有意な関連はみられなかった.生存分析では治療前後のSUV-max高値群は低値群に比しどちらも有意に予後不良であった(p=0.046, p=0.002). さらに治療前後ともに高値であった症例は他の群に比して有意に予後不良であった(p=0.0013). RFSに対する多変量解析では治療後のSUV-max高値のみが独立規定因子であった(p=0.018).【結語】PET-CTのSUV-max値は定量化が容易で, 客観的かつ非侵襲的なTNT治療後の直腸癌予後予測因子として有用であることが示唆された.