Presentation Information
[SY1-6]Multicenter Prospective Phase II Trial of TNT Therapy for Locally Advanced Rectal Cancer: Long-Term Results of the ENSEMBLE-2 Trial
Tatsuya Kinjo1, 賀川 義規2,7, 渡邉 純3,8, 安藤 幸滋4, 植村 守5, 奥谷 浩一6, 西沢 佑次郎7, 諏訪 雄亮8, 藤本 禎明9, 松橋 延壽10, 伊澤 直樹11, 武藤 理12, 三代 雅明2,6, 坂東 英明13, 大庭 幸治14, 吉野 孝之13, 沖 英次4 (1.University of the Ryukyus, Department of Digestive and General Surgery, 2.大阪国際がんセンター消化器外科, 3.関西医科大学下部消化管外科, 4.九州大学大学院消化器・総合外科, 5.大阪大学大学院消化器外科, 6.札幌医科大学消化器・総合,乳腺・内分泌外科, 7.大阪急性期・総合医療センター消化器外科, 8.横浜市立大学附属市民総合医療センター消化器病センター, 9.済生会福岡総合病院外科, 10.岐阜大学大学院消化器外科・小児外科, 11.聖マリアンナ医科大学腫瘍内科, 12.秋田赤十字病院, 13.国立がん研究センター東病院消化管内科, 14.東京大学大学院情報学環・学際情報学府)
【目的】これまで我々は、局所進行直腸癌に対するTNTの有効性、安全性を検討する多施設共同臨床第II相試験:ENSEMBLE-2試験(特定臨床研究, jRCTs071210143)を実施してきた。今回、ENSEMBLE-2試験の長期成績を報告する。
【方法】主な適格基準は20歳以上、肛門縁から12cm以内、診断時cT3-4N0M0またはTanyN+M0で根治切除が可能な局所進行直腸癌を対象とした。術前化学放射線療法(LCCRT)50.4Gy+capecitabineと全身化学療法としてCAPOX(4コース)後、直腸間膜全切除(TME)を治療プロトコールとした。TNT後に臨床的完全奏効(cCR)が得られた場合は、非手術的治療(NOM)を許容した。主要評価項目は病理学的完全奏効(pCR)率とした。
【結果】合計28例(男性19例、女性9例、年齢中央値69.5歳)が登録された。臨床病期分類は、cT3(24例)、cT4(4例)、cN0(15例)、cN1(8例)、cN2(5例)であった。治療完遂率はLCCRTで100%、CAPOXで96%であった。TMEとNOMはそれぞれ21例と6例に実施され、5/21例でpCRが観察された(23.8%[90%CI 11.8%-41.8%])。治療関連死はなかった。主なグレード3以上の有害事象は下痢(7.1%)および好中球減少(7.1%)であった。治療開始後の追跡期間中央値は28.8(19.2-32.2)ヵ月であった。 2年の無再発生存率は80.2%、全生存率は96.2%であった。 再発は5例(肺3例、腹膜播種1例、局所再発1例)であった。 NOM群では4例に再増大がみられ、いずれも根治切除術が行われた。2例はNOM継続中である。本試験ではctDNAについても解析した。TNT期間中(LCCRT後、TNT後)のctDNA有無はTNT治療効果とよく相関したが、再発とは相関しなかった。治療後4週目のctDNAが再発と相関した(p=.03)。
【結論】局所進行直腸癌に対するLCCRT+CAPOX4コースのTNTは長期成績においても海外の既報通りの有効性を示した。現在、本邦における第III相試験ENSEMBLE(NCT05646511/jRCTs031220342)が進行中である。
【方法】主な適格基準は20歳以上、肛門縁から12cm以内、診断時cT3-4N0M0またはTanyN+M0で根治切除が可能な局所進行直腸癌を対象とした。術前化学放射線療法(LCCRT)50.4Gy+capecitabineと全身化学療法としてCAPOX(4コース)後、直腸間膜全切除(TME)を治療プロトコールとした。TNT後に臨床的完全奏効(cCR)が得られた場合は、非手術的治療(NOM)を許容した。主要評価項目は病理学的完全奏効(pCR)率とした。
【結果】合計28例(男性19例、女性9例、年齢中央値69.5歳)が登録された。臨床病期分類は、cT3(24例)、cT4(4例)、cN0(15例)、cN1(8例)、cN2(5例)であった。治療完遂率はLCCRTで100%、CAPOXで96%であった。TMEとNOMはそれぞれ21例と6例に実施され、5/21例でpCRが観察された(23.8%[90%CI 11.8%-41.8%])。治療関連死はなかった。主なグレード3以上の有害事象は下痢(7.1%)および好中球減少(7.1%)であった。治療開始後の追跡期間中央値は28.8(19.2-32.2)ヵ月であった。 2年の無再発生存率は80.2%、全生存率は96.2%であった。 再発は5例(肺3例、腹膜播種1例、局所再発1例)であった。 NOM群では4例に再増大がみられ、いずれも根治切除術が行われた。2例はNOM継続中である。本試験ではctDNAについても解析した。TNT期間中(LCCRT後、TNT後)のctDNA有無はTNT治療効果とよく相関したが、再発とは相関しなかった。治療後4週目のctDNAが再発と相関した(p=.03)。
【結論】局所進行直腸癌に対するLCCRT+CAPOX4コースのTNTは長期成績においても海外の既報通りの有効性を示した。現在、本邦における第III相試験ENSEMBLE(NCT05646511/jRCTs031220342)が進行中である。