Presentation Information
[SY2-4]Peripheral blood leukocyte differentials are a useful predictor of response to anti-TNF α therapy in ulcerative colitis
Mao Matsubayashi1, 佐上 晋太郎1, 阿曽沼 邦央1, 井上 楠奈子1,2, 鈴木 啓太1,2, 渋井 俊佑1,2, 中村 健太1,2, 梅田 智子1,2, 中野 雅1,2, 小林 拓1,2 (1.Center for Advanced IBD Research and Treatment, Kitasato University Kitasato Institute Hospital, 2.北里大学北里研究所病院消化器内科)
【背景と目的】
潰瘍性大腸炎(UC)に対する治療の効果予測を低侵襲かつ日常診療で使用可能な方法で行うことは実現していない。本検討では、白血球分画によって抗TNFα抗体製剤の効果を予測可能か検討した。
【方法】
2012年12月〜2024年12月に活動期UCで抗TNFα抗体製剤を投与した症例を対象とし、12週後の症候的寛解(patient-reported outcome 2の血便スコア0かつ排便スコア1以下)群と非寛解群において、白血球分画を比較した。Mann-Whitney U検定、ロジスティック回帰分析(免疫調節薬・ステロイド併用の有無、罹患範囲、抗TNFα抗体製剤使用歴、Mayo内視鏡スコアで調整)を行った。
【結果】
123例 [infliximab 70例 (57%)、adalimumab 33例 (27%)、golimumab 20例(16%)]が抽出され、男性67例(55%)、年齢(中央値)39歳(IQR 28-52)、12週後の症候的寛解59例(48%)、全大腸炎型90例(73%)だった。寛解群と非寛解群で、好中球(72.2±16.0% vs. 65.9±15.4%)、リンパ球(19.5±12.3% vs. 23.3±12.3%)、好酸球(1.9±2.4% vs. 3.1±3.5%)、好塩基球(0.3±0.3% vs. 0.6±0.5%)、リンパ球数(1334±891 vs. 1694±835)、好酸球数(140±234 vs. 230±269)、好塩基球数(25±21 vs. 45±53)において有意差を認めた。ロジスティック回帰分析では、好中球・リンパ球・好酸球・好塩基球の比率1%増加したときの非寛解に対するOR [95%CI] は0.96 [0.93-0.99]、1.04 [1.01-1.09]、1.17 [1.01-1.41]、32.3 [4.94-306.6]であった。3つの製剤間で傾向は同様であった。
【結論】
末梢血リンパ球、好酸球、好塩基球比率が高いほど、抗TNFα抗体製剤投与の治療効果は低く、治療選択の個別化につながる。
潰瘍性大腸炎(UC)に対する治療の効果予測を低侵襲かつ日常診療で使用可能な方法で行うことは実現していない。本検討では、白血球分画によって抗TNFα抗体製剤の効果を予測可能か検討した。
【方法】
2012年12月〜2024年12月に活動期UCで抗TNFα抗体製剤を投与した症例を対象とし、12週後の症候的寛解(patient-reported outcome 2の血便スコア0かつ排便スコア1以下)群と非寛解群において、白血球分画を比較した。Mann-Whitney U検定、ロジスティック回帰分析(免疫調節薬・ステロイド併用の有無、罹患範囲、抗TNFα抗体製剤使用歴、Mayo内視鏡スコアで調整)を行った。
【結果】
123例 [infliximab 70例 (57%)、adalimumab 33例 (27%)、golimumab 20例(16%)]が抽出され、男性67例(55%)、年齢(中央値)39歳(IQR 28-52)、12週後の症候的寛解59例(48%)、全大腸炎型90例(73%)だった。寛解群と非寛解群で、好中球(72.2±16.0% vs. 65.9±15.4%)、リンパ球(19.5±12.3% vs. 23.3±12.3%)、好酸球(1.9±2.4% vs. 3.1±3.5%)、好塩基球(0.3±0.3% vs. 0.6±0.5%)、リンパ球数(1334±891 vs. 1694±835)、好酸球数(140±234 vs. 230±269)、好塩基球数(25±21 vs. 45±53)において有意差を認めた。ロジスティック回帰分析では、好中球・リンパ球・好酸球・好塩基球の比率1%増加したときの非寛解に対するOR [95%CI] は0.96 [0.93-0.99]、1.04 [1.01-1.09]、1.17 [1.01-1.41]、32.3 [4.94-306.6]であった。3つの製剤間で傾向は同様であった。
【結論】
末梢血リンパ球、好酸球、好塩基球比率が高いほど、抗TNFα抗体製剤投与の治療効果は低く、治療選択の個別化につながる。