Presentation Information
[SY3-1]History of management and surgery for anal diseases at our hospital
Shota Takano (Coloproctology Center Takano Hospital)
【はじめに】肛門疾患の手術は患者が結果を直接感じることができる特殊性がある。よって合併症や再発を極力避けつつ、肛門機能を失わない術式が望まれる。当院での手術の変遷と現在行っている術式および工夫を提示する。
【痔核】スタンダードである結紮切除術(LE)を主体に行っているが、痔核切除辺縁に篝縫いを施し、肛門縁を引き上げる処置を高野式と名付け行っている。仕上がりの見た目を整えるために行っていたが、近年は止血予防として位置づけ、過剰な引き上げを避け術後疼痛緩和にも繋がっている。PPHの改変法であるPartial Stapled Hemorrhoidectomy (PSH)を導入。痔核を切除すると同時に直腸粘膜を引き上げ、再発を予防する方法で,PPHの合併症である狭窄を来さないよう工夫している。術前から便排出困難を認める患者では、術後の過度のいきみで肛門の腫脹や治癒遷延を認めることがあるため、術前に排出訓練などの理学療法を行い、術後合併症を来さないよう工夫をしている。
【痔瘻】以前から瘻管を全てくりぬき一次口を単純閉鎖する括約筋温存術を行っていたが5%以上の再発を認めていた。現在は一次瘻管を残し内括約筋内で瘻管を切断。筋粘膜弁で切離断端を閉鎖するMyo-mucosal advancement flap repair with retained fistula tract (MARFT) を行い、再発の低下を図れている。隅越分類Ⅲ型痔瘻に対しては前述の筋粘膜弁法に加えて外肛門括約筋のダメージを極力抑えた側方アプローチ法を行っている。
【肛門機能】肛門の診療を続けていると便秘や便失禁など機能的な疾患を多数経験する。その経緯から当院では便排出困難型に着目した便秘診療や、器質的変化を伴わない直腸肛門痛など機能的疾患に対する治療を全国に先駆けて行っている。
【まとめ】肛門の手術においては再発の予防と機能の温存のバランスを保つことが重要である。当院では術後だけでなく、日常の肛門の機能を守る治療を積極的に行っている。
【痔核】スタンダードである結紮切除術(LE)を主体に行っているが、痔核切除辺縁に篝縫いを施し、肛門縁を引き上げる処置を高野式と名付け行っている。仕上がりの見た目を整えるために行っていたが、近年は止血予防として位置づけ、過剰な引き上げを避け術後疼痛緩和にも繋がっている。PPHの改変法であるPartial Stapled Hemorrhoidectomy (PSH)を導入。痔核を切除すると同時に直腸粘膜を引き上げ、再発を予防する方法で,PPHの合併症である狭窄を来さないよう工夫している。術前から便排出困難を認める患者では、術後の過度のいきみで肛門の腫脹や治癒遷延を認めることがあるため、術前に排出訓練などの理学療法を行い、術後合併症を来さないよう工夫をしている。
【痔瘻】以前から瘻管を全てくりぬき一次口を単純閉鎖する括約筋温存術を行っていたが5%以上の再発を認めていた。現在は一次瘻管を残し内括約筋内で瘻管を切断。筋粘膜弁で切離断端を閉鎖するMyo-mucosal advancement flap repair with retained fistula tract (MARFT) を行い、再発の低下を図れている。隅越分類Ⅲ型痔瘻に対しては前述の筋粘膜弁法に加えて外肛門括約筋のダメージを極力抑えた側方アプローチ法を行っている。
【肛門機能】肛門の診療を続けていると便秘や便失禁など機能的な疾患を多数経験する。その経緯から当院では便排出困難型に着目した便秘診療や、器質的変化を伴わない直腸肛門痛など機能的疾患に対する治療を全国に先駆けて行っている。
【まとめ】肛門の手術においては再発の予防と機能の温存のバランスを保つことが重要である。当院では術後だけでなく、日常の肛門の機能を守る治療を積極的に行っている。