Presentation Information
[SY3-4]The Future of Diagnosis and Treatment of Internal Hemorrhoids - The Role of ALTA and the Improvement of Diagnostic Techniques in Ultrasonography
Hidenori Miyamoto (Miyamoto Hospital)
2005年3月にAluminum potassium sulfate and tannic acid (ALTA)の臨床使用が可能となり、本邦での内痔核治療は大きく変化した。私はALTA療法について、治療成績やその適応、エコーを使った客観的な評価などの報告を行ってきたので、これらに文献的知見を加えてこれからの内痔核の診断と治療について考えた。
まず、ALTA療法の治療効果と適応についてである。当院では2007年4月からALTA療法を行い低侵襲で有効な治療法であることを報告した(Hepatogastroenterol. 2012)。Altomareらが2013年にNat. Rev. Gastroenterol. Hepatol.で報告した内痔核治療のレビューで我々の論文も引用されていたが、硬化療法はGoligher 2度までの治療法とされていた。その後当院を含む4施設で多施設共同研究を行い、Goligher 2度と3度に対するALTA単独療法の5年累積再発率に有意差がなかったことから、ALTA単独療法はGoligher 3度まで有効な硬化療法であると報告した(World J Hepatol.2016)。この結果をふまえて、Goligher 3、4度の内痔核の低侵襲治療について、本邦や海外で行われている治療法をレビューして報告した(J Anus Rectum Colon 2023)。この中で、ALTAを含む硬化療法やAnal cushion liftingなどをあげ、再発率と痛みの程度のバランスを考えながらどの治療法を選択するかのアルゴリズムを示した。
次に、経肛門エコーの評価についてである。ALTAの作用機序は、血流遮断を介した止血、痔核の縮小と、線維化による粘膜層、粘膜下層の筋層への癒着、固定である。我々はPower Doppler Imagingで痔核内の血流が治療後に著しく低下していることを報告した(Colorectal Dis. 2013)。田中らはelastographyで治療後の痔核の線維化を確認し、日本大腸肛門病会誌70巻10号で報告した。さらに最近では、従来は描出が困難であった低流速の血流を描出できるSuperb Micro-vascular Imaging(SMI)が開発されたことにより、経会陰エコーによるSMIで痔核内の血流を確認できるようになっている。
本邦において、ALTAは現在もこれからも内痔核治療に必須の硬化剤である。その効果を最大限発揮させるためにSMIによる痔核の血流のデータを役立てていきたい。
まず、ALTA療法の治療効果と適応についてである。当院では2007年4月からALTA療法を行い低侵襲で有効な治療法であることを報告した(Hepatogastroenterol. 2012)。Altomareらが2013年にNat. Rev. Gastroenterol. Hepatol.で報告した内痔核治療のレビューで我々の論文も引用されていたが、硬化療法はGoligher 2度までの治療法とされていた。その後当院を含む4施設で多施設共同研究を行い、Goligher 2度と3度に対するALTA単独療法の5年累積再発率に有意差がなかったことから、ALTA単独療法はGoligher 3度まで有効な硬化療法であると報告した(World J Hepatol.2016)。この結果をふまえて、Goligher 3、4度の内痔核の低侵襲治療について、本邦や海外で行われている治療法をレビューして報告した(J Anus Rectum Colon 2023)。この中で、ALTAを含む硬化療法やAnal cushion liftingなどをあげ、再発率と痛みの程度のバランスを考えながらどの治療法を選択するかのアルゴリズムを示した。
次に、経肛門エコーの評価についてである。ALTAの作用機序は、血流遮断を介した止血、痔核の縮小と、線維化による粘膜層、粘膜下層の筋層への癒着、固定である。我々はPower Doppler Imagingで痔核内の血流が治療後に著しく低下していることを報告した(Colorectal Dis. 2013)。田中らはelastographyで治療後の痔核の線維化を確認し、日本大腸肛門病会誌70巻10号で報告した。さらに最近では、従来は描出が困難であった低流速の血流を描出できるSuperb Micro-vascular Imaging(SMI)が開発されたことにより、経会陰エコーによるSMIで痔核内の血流を確認できるようになっている。
本邦において、ALTAは現在もこれからも内痔核治療に必須の硬化剤である。その効果を最大限発揮させるためにSMIによる痔核の血流のデータを役立てていきたい。