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[VPD1-7]Clinical Outcomes of Intracorporeal Functional End-to-End Anastomosis in Colon Cancer Surgery

Junichiro Hiro1, 大塚 幸喜2, 稲熊 岳1, 隈本 力1, 大村 悠介1, 小林 陽介1, 上嶋 徳1, 谷口 寛子1, 辻村 和紀1, 近石 裕子1, 升森 宏次1, 宇山 一朗2, 須田 康一1 (1.Fujita Health University Department of Surgery, 2.藤田医科大学先端ロボット内視鏡手術学)
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はじめに 結腸癌に対する体腔内吻合は技術的難易度が高いものの,小開腹創の縮小や腸管の牽引軽減などの利点がある.われわれは結腸癌に対する再建を機能的端々吻合(FEEA)で実施してきた.今回,体腔内機能的端々吻合と従来の体腔外吻合の治療成績をプロペンシティスコアマッチング(PSM)にて比較検討し、その安全性と有用性を検討した。対象と方法 2019年1月から2024年12月までに当院で低侵襲手術を施行した大腸癌患者992例中,結腸癌患者359例を対象とした.低侵襲手術は腹腔鏡,ロボット支援(4機種 da Vinci Xi,hinotori,da Vinci SP,Hugo RAS)で実施し,再建は,全例FEEAにて実施し,体腔内では自動縫合器を4本,体腔外では2本使用した.年齢,性別,BMI,ASA,病期,腫瘍部位,術者をマッチング因子としたPSMを行い,体腔内吻合群(Intracorporeal: IC群)101例と体腔外吻合群(Extracorporeal: EC群)101例を抽出した.両群間で周術期データ,短期および中長期成績について比較検討した.結果両群間でPSMにより抽出された背景因子(年齢,性別,BMI,ASA,腫瘍部位,病期,腫瘍部位,術者)に有意差は認めなかったアプローチ法ではIC群でロボット手術が有意に多かった(IC群36:65 vs EC群67:34, p<0.001).手術時間に差を認めず,出血量にはIC群で優位に少なかった(IC群8ml vs EC群17ml, p<0.001).開腹移行率,腸管切離長(PM,DM)に有意差は認めなかった.術後合併症発生率はIC群4.0%、EC群2.0%(p=0.683),縫合不全率(CD3以上)はIC群3.0%,EC群1.0%(p=0.621)と同等で,術後在院日数,術後排ガスまでの期間,腹膜播種を含む再発・遠隔転移率も有意差は認めなかった.結語 結腸癌に対する体腔内機能的端々吻合は,従来の体腔外吻合と比較し出血量が少なく,手術時間や術後合併症,縫合不全率,再発率に差を認めなかった.体腔内機能的端々吻合は技術的難易度が高いものの適切な技術習得により安全に施行可能であり,低侵襲手術のさらなる発展に寄与する標準再建法の選択肢の一つと考えられた.