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[VSY1-1]Current situation and the landscape of colorectal ESD with CT colonography

Hiroyuki Takamaru1, 斎藤 豊1, 水口 康彦1, 豊嶋 直也1, 山田 真善1, 三宅 基隆2 (1.National Cancer Center Hospital, 2.国立がん研究センター中央病院放射線診断科)
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【背景】大腸ESDの普及に伴い、粘膜下層浸潤が疑われる病変(cT1a/b)に対して診断的ESDが試みられる事もあるが、適応には慎重な判断が求められる。CTコロノグラフィー(CTC)は、腹部CT画像を三次元的に再構築する検査法で、スクリーニングや外科的切除前に用いられるが、ESD術前にCTCを併用する報告はまだ少ない。近年、当院ではESD前にCTCを施行する機会が増加している。
【目的】当院における大腸ESDにおけるCTC併用の現状について予備的に検討する。
【方法】当院にて2024年の期間にCTCと内視鏡検査を施行された57例のうち、当院で治療を施行した51例を対象とした。これら症例の臨床病理学的背景を後方視的に検討し、CTC併用の意義を考察した。
【結果】51例のうち、31例に対しEMR/ESDを、20例に対し外科的切除を施行した。ESD症例のうち3例は直腸NETであった。CTC併用により治療方針を変更した症例は2例認め、1例はCTCにてT1N1M0と診断、もう1例はCTCにて筋層浸潤が疑われ、いずれも外科的切除を行った。病理結果は前者がpTisN0M0、後者がpT2N0M0であった。直腸NETに対するESDはいずれもR0切除であり、G1が2例、G2が1例であった。CTC併用症例の特徴として0-Is病変やひだ上のLST-NG病変、再発症例など内視鏡評価が困難な可能性がある症例も含まれていた。また症例の1割程度で筋層のつり上がりや線維化、大きな血管の存在などの追加所見が認められていた。
【結論】大腸ESDにおけるCTC併用は、限られた症例において治療方針決定に影響を与える可能性がある。しかしながら、より多くの症例を対象とした検討により、CTCの意義や適応の明確化が必要と考えられた。