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[VSY1-7]Effects of prophylactic clip closure versus non-closure following colorectal endoscopic submucosal dissection on delayed bleeding: A phase III multicenter randomized controlled trial (EPOC Trial)

Akihiro Miyakawa1, 田丸 弓弦2, 水本 健2, 金沢 憲由3, 内山 詩織3, 前原 浩亮4, 隅田 頼信4, 中村 朗1, 糸林 詠1, 紫村 治久1, 志村 謙次1, 桑井 寿雄2,5 (1.Department of Gastroenterology, Asahi General Hospital, 2.国立病院機構呉医療センター中国がんセンター 内視鏡内科, 3.労働者健康安全機構横浜労災病院 消化器内科, 4.北九州市立医療センター 消化器内科, 5.広島大学病院 消化器内視鏡医学講座)
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【背景】大腸EMR後の創部縫縮は特に近位結腸の大病変で後出血率低下に寄与するとされるが、ESDについては十分なエビデンスがない。そこで我々は大腸ESD後の創部縫縮の有用性を国内4施設の多施設共同ランダム化比較試験で検討した。【方法】20-50mm径病変のESD施行患者を縫縮群と非縫縮群に無作為割付した。主要評価項目は後出血率で、止血処置や輸血を要するものを重度、残血等それ以外の出血を軽度と定義した。【結果】ITT 解析は縫縮群:150例、非縫縮群:149例、PP解析は縫縮群:142例、非縫縮群:141例が対象となった。患者・病変背景に有意差は認めなかった。ITT解析では総後出血率(重度・軽度)は縫縮群:6.7%、非縫縮群:20.1%(OR: 0.28, 95%CI 0.13-0.60, p<0.001)、重度後出血率は縫縮群:1.3%、非縫縮群:8.7%(OR: 0.14, 95%CI 0.03-0.64, p=0.003)、PP解析では総後出血率は縫縮群:5.6%、非縫縮群:19.9%(OR: 0.24, 95%CI 0.11-0.55, p<0.001)、重度後出血率は縫縮群:0.7%、非縫縮群:8.5%(OR: 0.08, 95%CI 0.01-0.59, p=0.001)であり、縫縮群で有意に低下した。両群ともに遅発性穿孔例はなく、ESD後凝固症候群発生率に有意差は認めなかった。多変量ロジスティック回帰分析では、予防的創部縫縮は総後出血率(OR: 0.22, 95%CI 0.08-0.50, p<0.001)と重度後出血率(OR: 0.22, 95%CI 0.05-0.76, p=0.015)を低下させる独立因子であった。一方で870mm²を超過する病変(OR: 2.38, 95%CI 1.08-5.52, p=0.032)と直腸病変(OR: 7.48, 95%CI 3.35-17.19, p<0.001)は総後出血率、脂質異常症(OR: 3.88, 95%CI 1.08-18.46, p=0.037)は重度後出血率を上昇させる独立因子であった。重度後出血率に関する局在と大きさによるサブグループ解析では、遠位側病変では縫縮群:1.5%(1/66)、非縫縮群:14.5%(9/62)、長径37.5mm以上病変では縫縮群:1.5%(1/67)、非縫縮群:10.1%(8/79)であり、縫縮群で有意に低下した(遠位側病変:p=0.007、長径37.5mm以上病変:p=0.039)。【結論】大腸ESD後の創部縫縮は後出血率を有意に低下させるため強く推奨される。特に遠位側で径の大きい病変には有用である可能性が高い。