Presentation Information
[VWS2-4]Robot-assisted rectal cancer surgery for obesity patients
Yusuke Omura1,2, 大塚 幸喜2, 松本 航一1, 近石 裕子1, 辻村 和紀1, 谷口 寛子1, 上嶋 恵1, 稲熊 岳1, 小林 陽介1, 隈本 力1, 廣 純一郎1, 松岡 宏1, 升森 宏次1, 宇山 一朗2, 須田 康一1 (1.Department of Surgery, Fujita Health University, 2.藤田医科大学先端ロボット内視鏡手術学)
【目的】大腸癌手術において肥満症例は、狭いワーキングスペースや脆弱な脂肪組織のために手術時間の延長や出血量の増加が報告されており、周術期感染性合併症のリスク因子ともされている。今回、当科でのロボット支援直腸癌手術において、肥満が周術期成績に及ぼす影響を検討した。
【方法】2018年4月~2024年7月に当院で直腸癌に対しロボット支援直腸切除術を行った348例(肥満群:85例、非肥満群:263例)を対象とした。日本肥満学会の定義に基づき、「肥満」をBMI > 25kg/m2とした。両群の短期成績を比較検討した。
【結果】手術時年齢(中央値)は肥満群65歳、非肥満群68歳であった(p=0.15)。性別は肥満群が男性61例、女性24、非肥満群が男性160例、女性103例であった(p=0.06)。腫瘍局在は肥満群でRa:30例/Rb:55例、非肥満群でRa:105例/Rb:158例 (p=0.44)。手術時間(中央値) は肥満群350分、非肥満群326分と延長傾向にあり(p=0.06)、コンソール時間は肥満群210分、非肥満群198分と有意に長かった(p=0.04)。出血量(中央値)は肥満群29ml、非肥満群23mlであり、増加傾向を認めた(p=0.06)。肛門側断端距離(中央値)は両群で20mmを確保できており、有意差は認められなかった(p=0.11)。郭清リンパ節個数(中央値)は両群とも19個であり、有意差は認められなかった(p=0.49)。Clavien-Dindo分類 Grade III以上の創感染は両郡で1例ずつ認め、有意差は認めなかった(肥満群:1.2% vs 非肥満群:0.4%; p=0.43)。縫合不全は、肥満群4例(4.7%)、非肥満群8例(3%)であり、有意差は認められなかった(p=0.47)。術後在院日数(中央値)は肥満群16日、非肥満群15日であり、有意差は認められなかった(p=0.3)。
【結語】肥満症例におけるロボット支援直腸癌手術では、手術時間、コンソール時間の延長および出血量の増加は認めたものの、感染性合併症の発生率や術後在院日数は非肥満症例と同等の成績が得られた。本発表では、肥満症例に対する手術ビデオを供覧し、当科でのロボット支援直腸癌手術の工夫を紹介する。
【方法】2018年4月~2024年7月に当院で直腸癌に対しロボット支援直腸切除術を行った348例(肥満群:85例、非肥満群:263例)を対象とした。日本肥満学会の定義に基づき、「肥満」をBMI > 25kg/m2とした。両群の短期成績を比較検討した。
【結果】手術時年齢(中央値)は肥満群65歳、非肥満群68歳であった(p=0.15)。性別は肥満群が男性61例、女性24、非肥満群が男性160例、女性103例であった(p=0.06)。腫瘍局在は肥満群でRa:30例/Rb:55例、非肥満群でRa:105例/Rb:158例 (p=0.44)。手術時間(中央値) は肥満群350分、非肥満群326分と延長傾向にあり(p=0.06)、コンソール時間は肥満群210分、非肥満群198分と有意に長かった(p=0.04)。出血量(中央値)は肥満群29ml、非肥満群23mlであり、増加傾向を認めた(p=0.06)。肛門側断端距離(中央値)は両群で20mmを確保できており、有意差は認められなかった(p=0.11)。郭清リンパ節個数(中央値)は両群とも19個であり、有意差は認められなかった(p=0.49)。Clavien-Dindo分類 Grade III以上の創感染は両郡で1例ずつ認め、有意差は認めなかった(肥満群:1.2% vs 非肥満群:0.4%; p=0.43)。縫合不全は、肥満群4例(4.7%)、非肥満群8例(3%)であり、有意差は認められなかった(p=0.47)。術後在院日数(中央値)は肥満群16日、非肥満群15日であり、有意差は認められなかった(p=0.3)。
【結語】肥満症例におけるロボット支援直腸癌手術では、手術時間、コンソール時間の延長および出血量の増加は認めたものの、感染性合併症の発生率や術後在院日数は非肥満症例と同等の成績が得られた。本発表では、肥満症例に対する手術ビデオを供覧し、当科でのロボット支援直腸癌手術の工夫を紹介する。